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黒猫の前世
第二章

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 モンスターを召喚した、そのモンスターはというと。
 猫だった、勿論モンスターなので猫又である。カントは黒い猫又を見てこれが僕の生涯使役するモンスターかと思った、だが。
 皆その猫の尻尾を見て驚いた、見ればその尻尾の数は。
「おい、九本だな」
「ああ、九本尻尾だな」
「普通猫又の尻尾は二本で」
「その二本の尻尾が魔力の源で」
「尻尾の数が多い程魔力も強いが」
「尻尾が九本って」
「この猫又相当強いぞ」 
 学生達だけでなく先生達も驚いて口々に話した、そしてだった。
 先生もだ、カントに驚きを隠せない顔で言った。
「カント君、この猫又はです」
「普通の猫又じゃないですね」
「はい、神具程ではないですが」
 星の者達が持っているまさに神の力を宿した道具だ、その中にはモンスター達もいるがその力は神の力である。
「それでもです」
「相当な力を持っていますか」
「そうです、もうです」
 それこそというのだ。
「最初の時点でかなりのレベルにあります、どうしてこれだけのモンスターが出て来たのか」
「それはこの者の前世の魂によるである」
 ここでその黒猫が言ってきた、女の声であった。
「吾輩の主になるべき者だったからである」
「というと」
「お主は依然吾輩の前世を飼っていたのである」
「その前世はまさか」
「黒猫だったのである」
「そうだったんだ」
「お主の前世は日本で小説家だったのである」
 猫は自分の右の前足でカントをびしっと指差して告げた。
「そうだったのである」
「そうだったんだ」
「その因縁からである」
「僕に召喚されたんだ」
「そうである、吾輩を主人公にした小説を書き」
 そしてというのだ。
「それが日本では長い間物凄く売れたである」
「僕が君を書いて」
「そうである、吾輩はその時名前はなかったであるが」
「今もかな」
「今はソウセキというである」
 黒猫は胸を張って名乗った。
「覚えておくである、ちなみに雌である」
「ソウセキっていうんだ」
「そうである、いい名前であるな」
「そうだね」
「そしてであるが」
 その黒猫ソウセキはさらに話した。
「これからはお主と一緒にである」
「暮らしてくれるんだね」
「魂の因縁によって」
「じゃあ宜しくね」
「こちらこそである」
 こう話してだった。
 カントはソウセキと契約し生涯の使役モンスターにした、それからソウセキは彼女の助けを借りてメキメキと実力を上げ。
 召喚士学校を優秀な成績で卒業した、だが。
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