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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第112話
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〜ノルティア街道〜



「――――――皇太子殿下、よろしいでしょうか?」

セドリック達が話を続けていると一体のシュピーゲルが前に出てテスタ=ロッサを見上げて声をかけた。

「貴方は……?」

「申し遅れました。私の名はギルベルト・シュライデン。ノルティア領邦軍の”総司令”を務めている者にして、シュライデン伯爵家当主です。お初にお目にかかります、皇太子殿下。」

「シュライデン伯爵………聞いた事があります。確か、ノルティア領邦軍の武術教練を任されている”シュライデン流槍術”の”師範代”でもある方でしたよね?」

シュピーゲルを操作している人物―――シュライデン伯爵が名乗るとセドリックは自分が覚えている範囲の事を呟いてシュライデン伯爵に確認した。



「左様。”ヴァンダール”や”アルゼイド”のような”二大武門”でもないしがない地方武門に過ぎぬ私の名を覚えて頂き光栄です。それで殿下達の主張では、既にログナー侯爵家当主として……ノルティア州統括領主としての地位の剥奪が既に決まっている為、連合による侵略を防ごうとするお館様の指示は”不当”だとの事ですが………例えお館様が内戦の件に対する”処罰”でお館様の地位が奪われる事が内定していたとしても、ノルティアを……祖国を侵略者の手から守ろうとするお館様の判断や皇帝陛下に対する忠誠も”不当”だと仰るのですか?」

「――――――はい。オズボーン宰相の独断によって始まった戦争ではありますが……それでも僕達アルノール皇家は連合との和解もそうですが、内戦の件で多大な迷惑をかけたメンフィル帝国に対する”償い”をする事を心から望んでいます。」

「そもそも私達アルノール皇家は今回の戦争で連合もそうだがメンフィル帝国に私達の誠意をわかってもらう為にもルーレに限らず、メンフィル帝国が内戦の件でエレボニアに要求した領土の管理を一端メンフィル帝国に任せるつもりだった。例えばクロイツェン州のようにね。」

シュライデン伯爵の問いかけにセドリックが答えるとセドリックに続くようにオリヴァルト皇子も答えた。

「!まさか………帝国政府による”焦土作戦”によって大きな被害を受けたクロイツェン州を連合が占領後侵略者でありながらも民達に対して配給を行っていることもそうですが、復興に協力的なのも殿下達が連合と交渉した結果だと仰るのですか?」

二人の話を聞いてある事に気づいたシュライデン伯爵は血相を変えてセドリック達に問いかけ

「ああ。前アルバレア公の逮捕とルーファス卿の戦死によって、急遽クロイツェン州の統括領主であるアルバレア公爵家の当主を務める事になったユーシス・アルバレア卿も既に承知――――――いや、むしろ連合に嘆願したよ。彼はアルバレア公爵家としての誇りも捨ててでも”焦土
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