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逆男の娘
第五章

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「ムラッときかねないから」
「ついついね」
「襲いかねないから」
「刺激的過ぎて」
「だから止めて」
「その恰好はね」
「というかね」
 その朱奈に言うのだった。
「寝る時は女の子なの」
「普段は男の子の服でも」
「その服でないと駄目なの」
「下着と」
 純白のそれは上下共非常に可愛らしく少女的だ。
「寝る時の服は」
「そうなのね」
「まあ今日は悪いけれど着替えてね」
「下着姿も止めてね」
「そっちも刺激強過ぎるから」
「寝られるかしら。けれど皆が言うなら」
 それならとだ、朱奈は返してだった。
 ジャージに着替えた、それで自分の布団の上に女の子座りになって話した。中々以上に女の子らしい座り方だった。
「これで」
「それでお願いね」
「修学旅行の間わね」
「それで寝られなくても」
「本当に目のやり場に困るから」
「というか」
 友人達はここでこうも言った。
「朱奈ちゃんやっぱり女の子ね」
「確かに性格や女子力は大和撫子だけれど」
「お顔も」
「けれど普段の服は違うから」
「男の子の服だから」
「それで男の娘じゃないけれど」
「その逆だって思っていたら」
 それでもというのだ。
「やっぱり女の子ね」
「下着そうだしね」
「そして中身もね」
「そうなのね」
「普段の服はそうでも」
 朱奈は頬を赤くさせて話した。
「下着と寝る時の服は」
「そうしたところに出るのね」
「女の子って」
「その地が」
「そうなのね」
 女の子達も納得した、そして。
 土佐もだ、朱奈のそうしたことは知らないが。
 彼女と共にいる時間を楽しんだ、服装では隠せない女の子らしい彼女とのそれを。それは彼にとって至高の時間でありそれは彼が孫が出来て大往生するまで続いた。


逆男の娘   完


                2020・8・15
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