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幾ら何でも無理
第三章

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「現実として」
「それじゃあネットで調べるわね」
「確かに現地に行くのは本格的で真面目だよ」
 このことはいいとだ、篤志も認めた。
「けれどね」
「現実には出来ないのね」
「無理だよ」
「そうなのね」
「出来る範囲でね」
 それでというのだ。
「真面目にすればいいよ」
「そういうことね」
「そうだよ、だからね」
 それでというのだ。
「ここはネットで調べてね」
「勉強して」
「レポートも書こうね」
「わかったわ、それじゃあね」
「これからね」
 二人でこう話してだった、楓は教科書やノートだけでなくだった。
 篤志と共にネットでも調べて勉強してレポートも書いた、レポートもテストもかなりの成績であった。
 このことはよかった、だが篤志はテストもレポートも終わってから言った。
「真面目はやっぱりいいけれど」
「京都に行くって言ったことは」
「現実的にはね」
 どうしてもというのだ。
「どうかってなるから」
「それでなのね」
「真面目なことはね」
「出来る範囲でってことね」
「そう、だからね」
「その中でやっていくことね」
「そうあるべきだよ」
 こう楓に話した。
「やっぱりね」
「そういうことね」
「うん、これからもね」
「そのことは頭に入れて」
「それでね」
 そのうえでというのだ。
「やっていこうね」
「何でもよね」
「うん、勉強のこと以外もね」
「そうなのね、じゃあね」
「じゃあ?」
「セックスのことも」
「えっ、今何て」
 篤志は楓の今の言葉に固まった。
 そして目を瞬かせて楓に尋ねた。
「今何て言ったのかな」
「だからセックスって」
「あの、セックスって」
「恋人同士ならするのよね、最近は高校生でも結婚前でも」
「そうした人もいるかも知れないけれど」
「だからね」
 それでというのだ。
「私今勉強してるから」
「セックスのことを」
「四十八手とかテクニックのこととか」
「四十八手って」
「コスプレとかSMとかね。けれど私痛くするのもされるのも苦手だから」
「いや、僕達キスも手をつないだこともないよ」
 篤志は楓に狼狽しきった顔で返した。
「だからね」
「セックスはなの」
「まだまだ先だよ」
 そうした話だというのだ。
「それはね」
「そうなの」
「というかセックスってそんなことは」
「駄目かしら」
「あまりにも早過ぎるよ」
「そうかしら」
「高校生だからね」
 自分達はというのだ。
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