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ヒーリングドッグ
第一章
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                ヒーリングドッグ
 田坂拓海は高校三年生である、茶色の短い収まりの悪い髪の毛でやや釣っている大きな目と細い眉を持つ童顔で背は一七八ある。
 彼はこの時いつもイライラしていた、それで母の直美、黒髪を伸ばして左肩に垂らしはっきりした目と白いきめ細かな肌を持つ一六三位の背のスタイルのいい四十代の女性の彼女に言われた。
「イライラしてもね」
「仕方ないっていうんだな」
「模試の査定はAなんでしょ」
「ああ」
 拓海は母に答えた。
「そうだよ」
「だったら自信持ってね」
 そうしてというのだ。
「受けなさい、推薦をね」
「それで受かったらか」
「いいでしょ、というか徹底的に勉強して」
 母は明らかに苛立っている息子にさらに言った。
「それで駄目だったらね」
「仕方ないっていうんだな」
「他にも受けるし」
 大学はというのだ。
「だからね」
「落ちてもか」
「例え第一志望でもね」 
 つまり一番入学したい大学でもというのだ。
「他にもあるし」
「大学はか」
「そうよ、それにね」
「それに?」
「そんなにイライラして勉強しても仕方ないし」 
 それでというのだ。
「ちょっとコタロウの散歩行ってきなさい」
「それで気分転換しろってか」
「そう、それで牛乳を沢山飲んで」
 そうもしてというのだ。
「それでね」
「寝ろっていうんだな」
「そうしなさい、イライラしても仕方ないわよ」
「勉強してか」
「その気分転換にね」
「コタロウの散歩行ってか」
「牛乳飲んで寝なさい、牛乳はよく眠らせてもくれるから」
 良質の蛋白質だからである、軽いとはいえ睡眠薬の効果もあるのだ。
「だからね」
「よく寝ることもしてか」
「落ち着きなさい」
「それじゃあな」
 受験でイライラしている自分には自分自身嫌になってもいる、それでだ。
 拓海は母の言葉に頷き丁度自分のソファーの上で丸くなっている飼い犬のコタロウ、柴犬の雄である彼に声をかけた。尚コタロウは彼が小学六年の時に父が知り合いから子犬として譲り受けた犬である。もう六歳になる。
「散歩行くか」
「ワンッ」
 散歩と言うとコタロウは嬉しそうに顔を上げた、そうしてだった。
 拓海は彼と一緒に散歩に行った、そのうえで彼の仕草を見て歩いて運動をして彼との時間を楽しむと。
 自然と心がリラックスして牛乳を沢山飲んで寝るとだった。
 翌朝は随分イライラが収まっていた、それで母に言った。
「何かコタロウと一緒にいたらさ」
「特にお散歩したらよね」
「すっきりすろな」
「そうでしょ、お母さんもコタロウを見てるとね」
 母は起きてきた息子に答えた。
「癒されるから」
「だから散歩に行けって言ったんだな昨日」
「そうよ
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