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夢幻水滸伝
第百七十五話 ハンバーガーショップの前でその三

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「その時の反論は常に用意しているがな」
「そう言われてもか」
「人間の知力は実は変わらない」
 リーは言い切った。
「所詮な」
「それでかいな」
「小男の総身に知恵も知れたものだ」
 大男総身に知恵が回りかね、と同じくというのだ。
「所詮はな」
「人は体格で知力は決まらんか」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「それではな」
「それでかいな」
「いつもそう反論している」
 その様にというのだ。
「私はな」
「それはまた強いな」
「強いか、私は事実を言ったまでだ」 
 あくまでという口調だった。
「それはな」
「人間のかいな」
「そうだ、人間はだ」
 リーはさらに言った。
「所詮脳の出来は大して変わりない」
「そやねんな」
「障害があってもな」
 それでもというのだ。
「神々や仏から見ればな」
「大した違いやないか」
「種族もな。眠った時の世界でもだな」
「それはな」
 中里も頷いた。
「そう言われるとな」
「人ならな」 
 それならというのだ。
「結局はだ」
「頭の出来は大して変わらんか」
「そうや」
「そういうもんやな」
「だから人種主義や極端な民族主義はな」
「間違いやな」
「科学的根拠を示せば」
 そうすると、というのだ。
「誤りであるとわかる」
「個人差ってことやな」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「だからヒトラーもや」
「間違えてたんやな」
「そうや、ほな今から」
「アメリカ組のとこに行くか」
「もう見えてきた」
 見ればプールサイドの中にあるハンバーガーショップが目の前にあった。そこには二十人程の銃ぢ亜の男女がいた。
 その彼等を見てメルヴィルは一同に笑って話した。
「この連中がな」
「アメリカ組やな」
「そや、こっちの世界ではこの姿や」
 こう中里に話した。
「人間としてはな」
「そういうことやな」
「もうそれぞれ食いはじめてる奴もおるな」
 見ればハンバーガーやフライドポテトを手にしている者もいる。
「ほな自己紹介してもらおうか」
「おお、元気そうやな」
 トウェインはアメリカ組に笑顔で挨拶をした。
「今から自己紹介してもらうで」
「ああ、ほな」
「今から」
 アメリカの面々も応えた、そうしてだった。
 それぞれ自己紹介をはじめた、まずはヘミングウェーだった。面長できりっとした青い目に見事に整えた銀髪と面長で彫の深い顔立ちだ。引き締まった身体は一七七程で黒のトランクスの水着である。
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