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麗しのヴァンパイア
第二百九十五話

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               第二百九十五話  そちらも飲む
 天本博士は麦茶を飲みつつ小田切君に話した。
「今晩のメニューは何であったかのう」
「麻婆豆腐ですよ」
 小田切君は博士の問いに答えた。
「あと水餃子にチャーシュー麺です」
「中華じゃのう」
「そうしました、それでお酒は」
「うむ、赤ワインじゃ」
「中華でもいけますよね、ワインは」
「左様、だからな」
 それでというのだ。
「今夜もじゃ」
「お酒はですね」
「ワインの柄はわしが選ぶ」
 博士自身がというのだ。
「そうする」
「左様ですか」
「中華料理じゃが中国のワインとはな」
「限らないですね」
「飲みたいワインをのむ」
 博士はあっさりと答えた。
「そうすることがな」
「博士のワインの楽しみ方ですね」
「うむ」
 小田切君に話す、そうしつつ今は麦茶を飲む。麦茶の味を楽しみながら小田切君にこうも言うのだった。
「そうじゃ、兎に角な」
「中華料理でもですね」
「わしはワインじゃ」
「そうですね、ただお茶を沢山飲まれても」
 小田切君はこう博士に返した。
「博士は毎日ワインを飲まれますね」
「好きであるからな」
「お茶も飲まれて」
「お茶は水分と栄養補給でな」
 一日四リットル飲んで居るそれはというのだ。
「ワインは閃きと楽しみじゃ」
「その為のものですか」
「だから飲む、しかしな」
「しかし?」
「今のワインは美味くなった」
 博士はこうも言った。
「実にな」
「昔と比べてですか」
「昔のワインは酷かった」
「保存状態が悪くて」
「すぐに酸っぱくなってな」
「何かお水とかで割ってたんですね」
「そうしたものだった、しかし今はそのまま飲める」
 今のワインはというのだ。
「よいことじゃ、わしは自分の技術でいつも美味いものを飲んでおったがな」
「じゃああまり意味なくないですか?」
 小田切君は突っ込みを入れた、すると博士は小田切君にさらに話した。


第二百九十五話   完


                  2020・9・5
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