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レーヴァティン
第百八十話 トランシルバニアへその四

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「お水にあたって倒れる将兵が出てね」
「戦力が落ちるな」
「疫病も流行るから」
 この心配もあるというのだ。
「お水の中に赤痢菌がいることもあるわ」
「そうだよな」
「だからね」
「生水は飲まないことだな」
「まずはね」
「それが大事だな」
「だから軍律でも定めたのよ」
 この生水を飲まないことをというのだ。
「そうしたのよ」
「そういうことだな」
「勿論私達もね」
「生水は飲まないな」
「そう、どんな時でもね」
「一旦沸騰させてな」
「そうしたお水を飲むのよ、冷たいものを飲みたいなら」
 その場合はというと。
「白湯を冷やすのよ」
「術も使えるな」
「そう、そうして冷やしたものをね」
「飲めばいいか」
「とにかくまずはね」
「沸騰させて消毒だな」
「そのうえで飲むことよ」
 このことは絶対だというのだ。
「そしてそれがお茶やコーヒーを飲む元になってね」
「経済が動くならか」
「余計にいいわ、この浮島は多くの場所でお茶もコーヒーも作れないわ」
「寒い場所が多くてな」
「こうしたものは暑い場所でしか栽培出来ないから」
 それが為にというのだ。
「だからね」
「帝国領だけでしか出来ないな」
「そしてそのことがね」
「帝国の利益になっているしな」
「丁度いいわ」
「いいこと尽くしだな」
「ええ、じゃあこれからもね」 
 双葉はさらに話した。
「お水を沸騰させてね」
「飲んでいくか」
「そうしていきましょう」
「絶対にな、後な」
 久志はこうも言った。
「ドナウ川の水も実はな」
「奇麗な様でね」
「やっぱり沸騰させないとな」
 そうしなければというのだ。
「駄目だよな」
「この浮島は何処もそうよ」
「お水はな」
「そう、本当に沸騰させないと」
 そうして消毒しないと、というのだ。
「飲んだら危ないわよ」
「あたるからな」
「下手したら死ぬわよ」
「腹壊すどころかな」
「冗談抜きでそうなるから」
 だからだというのだ。
「危険よ」
「命にも関わるからな」
「海水はなくても」
 海水つまり円分の濃い水は人間が一旦飲むと塩で喉が渇いて飲まずにいられなくなる、その為遭難中に海水を飲んでは危ないのだ。
「お水はね」
「危ないってことだな」
「そう、本当にどのお水も一旦沸騰させて」
「飲むことだな」
「そうしないと駄目よ」
 絶対にというのだ。
「軍律で定めたことはいいことよ」
「そういうことだな」
「ただ、上水道はね」
 これはというと。
「薦めていきましょう」
「衛生の為にな」
「その整備をね」
「出来たらな」
「ああ、この浮島の技術だと俺達の世界みたいなのは出来なくてもな」
 それでもとだ、久志は話した。
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