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ドリトル先生と牛女
第十幕その一
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                第十幕  牛女さんの訪問
 この日は休日で先生はお家で論文の為の読書に励んでいました、その先生に動物の皆が言いました。
「今日は何の本読んでるのかな」
「前は医学書だったけれど」
「今度は何?」
「何の本を読んでいるの?」
「日本の脚気の歴史の本だよ」
 こちらだというのです。
「今よんでいるのはね」
「脚気なんだ」
「脚気の本読んでるんだ」
「そういえば先生脚気の論文書いてるね」
「そうだったね」
「そう、それでね」
 今はというのです。
「脚気の本を読んでいるんだ」
「その歴史をだね」
「日本人が随分苦しんだっていう」
「その歴史の本を読んでいるんだ」
「うん、読めば読む程ね」
 先生は皆にお話しました。
「日本で脚気は深刻な病気だったんだ」
「沢山の人がなってしまっていた」
「そうした病気だったんだよね」
「もう国全体でどうしようかとなっていた」
「深刻な問題だったのよね」
「日本は疫病は少ないけれど」
 それでもというのです。
「脚気がね」
「ペストとかなかったけれどね、日本って」
「天然痘はあったけれど」
「それでもね」
「脚気があったね」
「脚気に結核、梅毒がね」
 この三つの病気がというのです。
「江戸時代から明治にかけて日本の国民病だったんだ」
「癌みたいな?」
「今で言うと」
「そうした病気だったんだ」
「そうだったのね」
「癌もあったけれど」
 先生は皆に難しいお顔でお話しました。
「この三つの病気の方がね」
「深刻だったのね」
「沢山の人がなってしまっていた」
「そうした病気だったの」
「結核や梅毒と同じ位問題だったんだ」
「結核や梅毒はペニシリンが出来て」
 そしてというのです。
「克服されたけれどね」
「第二次世界大戦が終わって」
「それからだね」
「結核や梅毒は克服されて」
「命を落とす人もいなくなったのね」
「それまではどちらも深刻で」
 それでというのです。
「結核で命を落とした作家さんも多いよ」
「宮沢賢治さんもそうだったね」
「あの人も結核で」
「あと織田作之助さんもだったね」
「梶井基次郎さんも」
「あとそれが死因ではないけれど」 
 それでもというのです。
「太宰治さんや芥川龍之介さんもね」
「結核だったんだ」
「その人達も」
「そうだったのね」
「夏目漱石さんもだったしね」
 この人もというのです。
「あと森鴎外さんもね」
「その脚気でやらかした人もなんだ」
「結核だったんだ」
「この人も」
「それで亡くなっているよ」
 森鴎外さんもというのです。
「本当に結核が問題だったんだ」
「欧州でもそうだったけれど」
「日本でもなんだ」

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