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最弱能力者の英雄譚 〜二丁拳銃使いのFランカー〜
第二話
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ね」

 そういえばこいつB級だったな。Fランクの俺とは天と地ほどの差がある。

「ほーん、俺今年は出ようと思うんだ」

「え、マジですか! 能力が使えないのに大丈夫なんですか?」

 大げさにびっくりしながら、道の端まで彼女は後退した。そんなに驚くことは無いだろう……

「余計なお世話だよ。毎日授業終わりにな、剣先生に特別授業を受けさせてもらっているんだ。かなり自信はあるぞ」

 いままで誰にも明かしたことはなかった。しかしユウになら明かしても。

「あの先生に……体格が変わったと思ったら、そういうことだったのか…… さすがは私が見込んだ人ですね、凄い根性とやる気。さすが私の佑兄さんだなあ」

 言い終わるとニコッと笑い俺のほうを見た。すこしあざと可愛いが、キュンとはしない。

「って、いつからお前のになったんだよ。ふざけるな」

「てへぺろこつーん」

 ユウは俺のほうを見て、舌をピョっと出しながら、こぶしを軽く頭にぶつける。

「ていうかさ、お前彼氏いるのに、俺と一緒に通って大丈夫なのか」

 ホントこいつ、彼氏がいるのに俺とこうして歩くんだから、ふざけてやがる。
 彼氏は少しは束縛してもいいだろうになあ。

「大丈夫です。顔と頭はいいけど察しが悪い人なので」

「そうなのか(ビッチめ)」

「今は、佑兄さんと登校をしたい気分なんです。いいじゃないですか」

 なんとも楽観主義過ぎて、もし俺がユウと付き合っていたら、こんな俺と登校しているところを見て激怒しそうだな。
 っていうか普通にキレている。

「まああれだ、付き合っている相手がいるんだから裏切るような真似はやるなよ」

「別に裏切ってないです。佑兄さんといても何も言わない、あの人の方が悪いんですから」

 ユウは追い越したように少し俺の前を歩く。
 顔は見えないが、少し怒っているようにも見えた。
 それから何も話すことはなく学習館に付いた。
 世間一般で言う学校のようなところだ。

「じゃあまた後でな」

「はーい!」





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