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星河の覇皇
第七十六部第二章 戦闘開始その二十

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「それならばだ」
「損害が出ても」
「これ以上出ても」
「諦めずにですね」
「勝つだけですね」
「そういうことだ、このまま攻める」 
 命令は一つだった。
「怯まずにな」
「それしかないですね」
「退けば負けという状況のままです」
「ならばですね」
「進むしかない」
「戦う」
「両軍の戦力は互角だ」
 それならと言うアッディーンだった。
「士気も将兵の質もな」
「数だけでなくですね」
「全てにおいてですね」
「両軍の戦力は互角ですね」
「まさに」
「それならばだ」
 互いに互角ならばというのだ。
「力尽きるのもだ」
「互いに互角ですね」
「だから先に倒れることはない」
「それ故にですね」
「攻めて力尽きても問題ないですね」
「今は」
「これが普通ならば違う」 
 通常の戦闘ならばというのだ。
「攻めて攻めてだ」
「そしてですね」
「力尽きてしまえば」
「そこに致命的な隙が出来」
「相手の反撃を受けますね」
「攻撃には臨界点がある」
 即ち限界だが。
「如何なる力をかけても限界はある」
「そして限界に達すればですね」
「攻撃は終わる」
「もっと言えば終わらざるを得ない」
「そうなってしまいますね」
「それでだ、戦いにおける攻撃もだ」
 それもというのだ。
「限界がある、限界が来ればだ」
「力尽きてですね」
「そこを攻められる」
「そうなってしまいますね」
「相手に余力があれば」
「それを狙うのも戦い方だ」
 実際にそうした戦術もある、後の先というものでまず敵に攻めさせてこちら退く。そうして敵の攻勢がその限界点に達したところで反撃に転ずるのだ。ロシア軍が伝統的に得意としている戦術である。
「しかし今はだ」
「最初からですね」
「両軍全力でぶつかっている」
「それも互角の戦力で」
「ならばですね」
「互いに限界は同時に来ますね」
「力尽きるのは」
 幕僚達も言う。
「ではですね」
「今は攻め続ける」
「互いに力尽きるまで」
「その時まで、ですね」
「そうしてだ」
 そこまで攻めてというのだ。
「今の戦いは終わる」
「では次ですね」
「戦力の補充と再編成、補給を受けて」
「休養も終えて」
「そうしてですね」
「二次となりますね」
「そうなる、次もこうしてだ」
 その二次の会戦もというのだ、アッディーンは言った。
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