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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第56話:燃える学び舎
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るアルドだったが、フィーネはそれを防御する事も無くその身で受け止めた。アルドのハーメルケインは先程同様フィーネの体を切り裂く事はなく、受け止められた際に出来た隙に腹部を殴打され壁に叩き付けられた。

「が、はっ?!」
「アルドさん!?」

 壁に叩き付けられ、その場に力無く倒れるアルドに慎次が声を掛けるが彼女は微動だにしない。接近戦を担当してくれたアルドがダウンした事と、拳銃が通用しない事に慎次は銃撃を諦め直接戦闘の構えを取った。

 とは言え所詮ただの人間、取るに足らない相手だ。それでも足元に転がる石ころ程度には邪魔になるだろうと、フィーネは鎖鞭を構えて迎え撃つ体勢を取った。

 そこに──────

「待ちな、了子」
「ん?」

 何処からともなく声が響いたかと思うと、轟音を立てて天井が崩れ落ちそこから弦十郎が下りてきた。とんでもない所からのとんでもない登場方法に、未来は目を見開く。
 と同時に、音と振動で目を覚ましたのかアルドが痛む体に鞭打ちながら起き上がった。

 フィーネにとってもこの登場の仕方は少し予想外だったのか、呆けた顔をしたがすぐにその表情を獰猛な笑みに変えた。

「私をまだ、その名で呼ぶか」
「女に手を上げるのは気が引けるが、これ以上好きにさせる訳にはいかないんでな」

 拳を構える弦十郎を見て、慎次は未来とアルドを退避させた。このままでは巻き添えを食う。

「正直、今でも信じられん。いや、信じたくないと言った方が良いな。お前が俺達を裏切っていた、と言うのはな」

 己の拳を見て顔を顰める弦十郎。本心の言葉なのだろう。彼の表情から、彼が感じている辛さが伝わってくる。

「だがもう迷わん! 例えお前が敵に回ろうと、俺にはやらねばならん使命がある!」
「フン! 志は大したものだ。だがそれだけで只の人間であるお前が私に勝てると?」
「応とも! 色々聞きたい事はあるがそう言うのは全部後だ! 一汗かいた後で、話をじっくり聞かせてもらおうか!!」

 その言葉を合図に、弦十郎が床を蹴りフィーネが鎖鞭を振るった。

 拳と鎖鞭がぶつかり合い、信じられないような音が辺りに響いた。
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