暁 〜小説投稿サイト〜
俺の四畳半が最近安らげない件
俺の名は明智小五郎
[5/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

「包み方甘いですよ!奥さんドン引きしてますよ!!」
妻からの回答はない。…時報かと思われた妻は、明確な感情をもって引いていた。俺が引かせた。
「…いや済まない。何というか…ほら、俺達、蔵から出られないだろ?」
「つまり、私の役回りが知りたいのですね」
「うんうんうん」
彼女は少し考えるような間をとり、徐にこう答えた。


「あるタイミングで、蔵を開錠するのが、私の役目です。それ以外の役目はありません」


「コトが済んだ頃に蔵を開ける人だぁ〜〜〜!!」
小林少年が崩れ落ちた。
…心情を察するに、俺も涙が出そうだ。この年端もいかない少年は、これから『能動的に』自分より二回り以上も年上のおっさんを犯さなければいけないのだ。なんて業の深い現場だ。
「厭だぁああ!!助けてピッポちゃぁーん!!」
とうとう『探偵七つ道具』の一つ、伝書鳩の名前を叫び出した。…これも小学生のカバンの中に常に伝書鳩が押し込められているという随分無茶な設定だったなぁ。ピッポちゃんストレスで死んじゃうぞ。…まぁ、今ストレスで死にそうなのは小林少年なんだが。
それにしても…どうも何かが引っかかる。俺は再び、パンツの中を覗き込んだ。
どうにも、ムラがある気がするのだ。
「小さ過ぎる…それに…」
俺はその時、ふとあることに気が付いた。
「小林少年よ…」


「俺達、助かるかもしれない」


あっけにとられて固まっている小林少年を置き去りに、そこら辺の本を掻き集めて積み上げた。蔵の天井近くに見える嵌め殺しの窓まで積むのだ。
「……まじすか?」
「そうだ、ちんこが設定されているなら、出番を作ってやればいい」
「は!?何の脈絡もなく、突然二人でちんこを出すんですか!?」
何を云っているのか分からないといった顔をする。
「もう一度、自分のちんこを見てみろ。どう思う」
小林少年は首を傾げながら、再び半ズボンを引っ張る。
「…んー?なんか…何だろこれ」
俺も覗き込んでみた。…何というかこう、わざとピントを外してソフトフォーカスにしたような…要はマイルドにモザイクをかけたような棒っぽい何かが、不自然に広い半ズボンのなかにノッシリと存在していた。
「……眩暈してくるな。遠近感とかどうなってんだ」
「でしょ!?半ズボンの中がこんなに広いわけないんですよ!四次元空間でしょ、これ。それにどんだけマジマジと見つめても輪郭すらハッキリしないんです」
「な?そうだろ?俺のやつも『ダビデサイズ』以外の特徴が、どんなに凝視しても見えてこないのだ。どうもこの創作者…ホモ漫画を描くこと自体にまだ躊躇いというか…『照れ』がある。そうだな、この女子は恐らく…処女だ」
「処女!?」
「奴らの恋愛観は九割の幻想と一割の聞きかじりで成り立っているのだ。そうと分かればこ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ