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星河の覇皇
第七十六部第二章 戦闘開始その六
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 ティムール軍は攻撃をしつつオムダーマン軍に向かって突き進む、そうしてやはり向かって来るオムダーマン軍とだ。
 激突した、激しい戦いが接近戦でも繰り広げられた。艦載機もそこに入り両軍は艦と艦が触れ合う様な距離で攻撃をし合った。
 多くの艦艇が沈み炎と光を放って銀河に消えていく、その中にある多くの命も巻き込んで。だが両軍の戦闘は激しさを増す一方だった。
 アリーの主砲が火を噴く、アッディーンはその攻撃を見つつガルシャースプに言った。モニターでは両軍の死闘が現在進行形で映し出されている。
「今の様にアリーが主砲を頻繁に放つなぞな」
「これまでになかったですね」
「前線にあってもな」
 アッディーン自らそこに出てもというのだ。
「なかった、それだけだ」
「この戦闘は激しいですね」
「そういうことだ、まさに死闘だ」
「全くですね」
「両軍共損害は大きい、それでだが」
 さらに言うアッディーンだった。
「シャイターン主席の乗艦だが」
「シャハラザードですね」
「近くにいるな」
「はい、我が軍から見てやや左にです」
 そこにというのだ。
「いて自らです」
「前線に出てだな」
「攻撃を行っています」
「わかった、ではだ」
「このアリーをですね」
「シャハラザードに向かわせる」
 即ちシャイターンの方にというのだ。
「そしてだ」
「直属の親衛艦隊もですね」
 アッディーンが直接指揮するその艦隊もとだ、ガルシャースプは彼に対してここで強い声で問うた。
「共に」
「そうだ、向かわせてだ」
「そしてそのうえで」
「戦う」
 シャイターン、彼と直接だ」
「そうする、いいな」
「そこまでされますか」
「ここで彼を倒せば」
「戦いに決着がつく」
 だからだというのだ。
「戦死せずともだ」
「シャハラザードを沈めれば」
「それで、ですね」
「旗艦が討たれることは大きい」
 即ち沈められることはだ、サハラにおいてこれは敗北を意味する場合が多い。特に国家元首のそれが沈められると。
「だからここはだ」
「シャイターン主席の乗艦に向かい」
「そうしてですね」
「攻撃を行う」
「親衛艦隊と共に」
「そうだ、では今から行く」
 アッディーンはもう決断していた、そしてその決断を変えるつもりはなかった。
「いいな」
「無謀では」
 シャルジャーはアッディーンにあえて問うた。
「それは」
「私自らシャイターン主席に向かうことはか」
「はい、総大将同士の戦いになりませんが」
「そしてそれに敗れればだな」
「そう思いますと」
「その危険はある」 
 アッディーンもわかっていた、このことは。
「戦いの結末は常にアッラーのみがご存知だ」
「絶対であるアッラーのみが」
「勝敗はわからない」

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