暁 〜小説投稿サイト〜
至誠一貫・閑話&番外編&キャラ紹介
◇閑話・参◇ 〜酒豪達の宴〜
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 主より、孫堅殿らを交えての酒宴を催すとの知らせを頂いた。
 勿論、参加しない手はない。
 と言うより、参加以外の選択肢など最初からありはしないが。
 手ぶらはどうかと思い、市場にてメンマを一甕購入しておいた。
 行きつけの店にて吟味した一品、酒宴の場には相応しかろう。
 酒にメンマ、この絶妙な組み合わせはまさに奇跡。
 ましてや、主考案の酒とあれば、まさに鬼に金棒。
 これを楽しみと言わずに、どうしようか。
 そんな事を思いながら、酒宴の会場である、大食堂に向かう。
「おお、趙雲。遅いじゃねぇか」
 既に、孫堅殿と黄蓋殿が座に就いていた。
「はっ。黄蓋殿も、お好きですな」
「当然じゃ。堅殿ばかりに美味い酒を独り占めさせる訳にはいかんからの」
「今日は新顔もいるぜ? ま、雪蓮は呼んであるがな」
「ほう。新顔でござるか?」
「ああ。黄忠という奴でな、かなりの遣い手だぜ?」
 はて、遣い手ならば名前ぐらいは聞いた事があると思うのだが。
 ……むう、やはりこの国は広いという訳か。
 だが、孫堅殿がそう仰せになる以上、尋常ならざる人物、と見て間違いなかろう。
「待たせたな。黄忠殿を連れて参った」
 程なく、主も参られた。
 隣に、色気抜群の女が一人。
 ……美人だが、何より……あの胸は反則ではないのか?
 私も豊かな方と自負しているが、黄蓋殿といい、孫堅殿といい、この場にいる女は皆、まさに爆乳揃い。
 主は胸の大小はあまり気にせぬお方だから良いが、大抵の男は悩殺ものではないか。
「あら、初めまして。私は黄忠、字を漢升と申しますわ」
「こちらこそ。私は趙雲、字を子龍にござる」
「まあ、あなたが。噂はかねがね」
 と、黄忠殿は微笑む。
 優しげと言うか、包み込むような笑顔。
 むう、腕も立つようだが……いろいろな意味で、敵に廻せば手強い相手のようだ。
「私をご存知にござるか?」
「ええ。土方様の許には知将勇将が揃っている、と。その中のお一人、戦場を駆け抜ける白銀の槍……それがあなたですわね?」
 白銀の槍、か。
 ……うむ、悪くない。
 世辞混じりとしても、そう言われて気分の悪い筈もない。

 そして、宴が始まり。
「さ、もう一献」
「ええ、いただきますわ。……ふう、確かに美味しいですわね」
 黄忠殿の飲みっぷりはかなりのものだ。
 それでいて、乱れた様子は一切なく、何処までも優雅ですらある。
「なかなかに強いな、黄忠も」
「儂も同感じゃ。しかし、堅殿や儂、それに趙雲殿と揃っている中で、平然としているとはの」
「うふふ。お酒は好きですから……あら、土方様は?」
 あまり進まぬ主に、黄忠殿は首を傾げる。
 その様ですら、どこか妖艶とは……うむむ。
「私なら気にせずとも良い。皆に合
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ