第七十六部第一章 動きはじめる両軍その二十一
[8]前話 [2]次話
「はじまるな、それで他の戦線だが」
「はい、対峙はしていますが」
「各軍勝手な行動はしていません」
「一隻たりともです」
「軽挙妄動はありません」
「攻める態勢は整っていますが」
「それでもです」
こうアッディーンに報告する。
「閣下の言われる通りです」
「攻撃態勢は整えています」
「しかし攻撃には移っていません」
「一隻たりとも」
「そうだ、攻撃はまだだ」
アッディーンも強い声で言う。
「してはならない」
「今はですね」
「攻撃はせずに」
「時が来ればですね」
「その時にですね」
「総攻撃に移る」
対峙からだというのだ。
「そうするからな」
「だからですね」
「今は攻撃せずに」
「そしてそのうえで」
「こちらも機を見て」
「あの艦も使ってですね」
「攻める、この戦争は中々機がない」
これも確信だった、シャイターンそして彼が率いているティムール軍が容易に隙を見せる筈がないというのだ。
「しかしだ、機があればだ」
「その時はですね」
「一気に攻めて」
「そうしてですね」
「一気に終わらますね」
「そうする、その時は砂津波の様にだ」
サハラではこれが起こる場合もある、砂漠の中で大風によって砂が文字通り津波の様になって沸き起こるのだ。
「そうなってだ」
「攻めてだ」
「そうしてですね」
「一気に終わらせる」
「そうしますね」
「そうだ、一度の攻勢でシャイターン主席に勝ち」
それからというのだ。
「それからだ」
「各戦線でも攻撃に移る」
「あの艦を使って」
「そうしてですね」
「総攻撃を行って」
「そして勝ちますね」
「そうする、防衛ラインも徹底的に破る」
ティムール軍のそれをというのだ。
「そうしてその勢いのままだ」
「サマルカンドを目指しますね」
「ティムールの首都のそれを」
「そうされますね」
「一気にサマルカンドに迫り勝敗を決する」
戦局をそこまで持って行くというのだ。
「シャイターン主席が対策を見出し実行に移すまでにな」
「勝敗を決しますね」
「ティムールとのそれを」
「そうするのですね」
「ティムールの防衛ラインは堅固で重厚だ」
アッディーンもそのことはわかっている。
「しかしそれは国境だけでだ」
「突破すればですね」
「そこから先はないですね」
「実質一重だけで」
「幾重にもないですね」
「そうだ、だから敵の防衛ラインを突破してだ」
そのうえでというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ