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おぢばにおかえり
第六十話 朝早くからその二十七

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「携帯の電話番号もメアドもわかってるし」
「お互いに」
「だから何時でもね」
「連絡していいんですね」
「そうしてもいいし」
 阿波野君自身に言いました。
「詰所に来てもいいから」
「そうですか、じゃあ来させてもらいますね」
「おぢばでもね」
「それで夏は」
「ええ、詰所に住ませてもらうから」
 それで、です。
「大学の講義がない間もね」
「詰所におられますか」
「たまにお家に帰って」
 そうした時もあると思います。
「それでこうしてね」
「僕が来てもですか」
「お話出来るから」
「じゃあまたお願いしますね」
「ええ、あとこの町のこと知ってるのよね」
 今度は八条町のお話をしました。
「そうよね」
「はい、ここに何度も来てますし」
「けれど裏道とか知らないわね」
「そういう場所は」
「そういう場所も案内させてもらうわね」
「そうしてくれますか」
「ここで生まれ育ったから」
 高校に入るまでの十五年間を過ごしてきました。
「だからよく知ってるし」
「遊び場ですね」
「そう、それによくお外歩いたし」
「先輩ってアウトドア派なんですね」
「言うならね、じゃあね」
「はい、じゃあ今から案内して下さい」
「そうさせてもらうわね」
 こうしてでした。
 私は阿波野君を色々な場所に案内しました、とはいってもお家の近くだけであっという間にお昼になりました。
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