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星河の覇皇
第七十六部第一章 動きはじめる両軍その十六

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「兵役ってのは確かに命懸かるにしても」
「箔が付きますからね」
「それだよ、就職とかも有利だろ」
「そう言われてますね」
 実際にサハラでは兵役に就くとその後の就職でそのことが考慮されて有利になる、社会的な箔となっているのは事実だ。
「俺は自分から入ったんでよくわからないですが」
「徴兵っていっても全員がならないだろ」
「選ばれますからね」
「身体が健康で品行方正でな」
「しかも頭もよくないと」
「選ばれないからな」
 これは選抜徴兵制だからだ、徴兵制でも選抜ならば人が選ばれるのだ。そうして優れた者が兵士になるのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「考慮されるんだよ」
「就職にも」
「だからな」
「生きて帰ってですね」
「卒業してからも頑張るからな」
 こう答えた。
「俺も」
「俺は軍隊に自分から入りましたし」
「補兵士でな」
「多分ですけれど」
「このままやっていくか」
「そうします」
「そうか、頑張れよ」
 ハルークもハルークでハーディンに挨拶をした。
「是非な」
「そうしますね」
「やっぱり下士官になっていくか」
「そうだと思います、俺も士官には興味がないんで」
 それでというのだ。
「そうしていきます」
「それじゃあな」
「やっぱり士官ってのはな」  
 どうしてもと言うアブクールだった、ここでまた。
「世界が違うな」
「同じ軍隊でも」
「それでもですね」
「ああ、違うからな」
 それでというのだ。
「あっちはあっちでな」
「またですね」
「違う世界ですね」
「士官室にいますし」
「同じ艦艇でも違いますね」
「そうだろ、だからな」
 それでというのだ。
「あの雰囲気がどうもな」
「馴染めないとですね」
「いられないですね」
「ああ、あの世界に入るのはな」
 どうしてもというのだ。
「合わないって思ったらな」
「入らない方がいい」
「下士官の世界の方がいいですね」
「兵隊と」
「そっちの方がいいですね」
「責任もないしな」
 下士官も兵もというのだ。
「軍隊は責任は全部士官持ちだろ」
「何かあればそうですよね」
「もうそこは絶対ですよね」
「責任は士官持ちで」
「俺達よりも」
「そりゃ俺達も悪いことしたら責任取らされるしな」
 それは絶対にというのだ。
「けれどな、俺達の責任までな」
「士官の人達にいきますしね」
「上司ってことで」
「それで責任取らされて」
「昇進とか給与に響きますね」
「ああ、勿論自分がやっても責任を取らされるしな」
 アブクールはその責任についてさらに話した。
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