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星河の覇皇
第七十六部第一章 動きはじめる両軍その十四

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「だから俺はアッラーの加護を受けてるんだろうな、沈めた船も二隻共全員脱出出来てるしな」
「殺してもいないんですね」
「敵でも殺したら後味が悪いしな」
 人を殺したならというのだ。
「相当憎い海賊でもないとな」
「その連中ならですね」
「ああ、殺してもいいけれどな」
 それでもというのだ。
「普通の敵だとな」
「船を沈めても」
「戦死されたらな」
 それこそというのだ。
「後味が悪いからな」
「それで、ですね」
「よかったぜ」
 このこともというのだ。
「このことでも俺はアッラーの加護を受けてるな」
「それでこれからもですね」
「アッラーの加護を受けてな」
 そうしてというのだ。
「生きていってな」
「上級軍曹にもですね」
「なりたいな」
 この加護は当たることになる、アブクールはこの戦争を生き残り娘の結婚式に統一サハラ軍の上級軍曹として紹介されている。
「本当に」
「先任下士官ですか」
「憧れてたんだよ、ガキの頃から」
 今度は夢を見る少年の様な目で語ったアブクールだった。
「滅茶苦茶頼りになるな」
「先任下士官にですか」
「なりたいと思ってるんだよ」
「それはまたどうしてですか?」 
 今度はハルークがアブクールに尋ねた。
「頼りがいになる先任下士官になりたいと思われたんですか?」
「ガキの頃読んだ漫画で出たんだよ」
「そうした先任下士官が」
「そうなんだよ、戦艦を舞台とした漫画でな」
「戦艦にいる乗員の中にですか」
「その先任下士官がいてな」
「色々と頼りになったんですか」
「時には艦長以上にな」
「活躍していて」
「俺はそれに惚れてな」
 そしてというのだ。
「優れた先任下士官になりたいって思ったんだ」
「それで入隊されて」
「今に至るんだよ」
「そうだったんですね」
「ああ、今思うとな」
 それはというと。
「俺は一般で入ってよかったな」
「その先任下士官も」
「一般で入隊してな」
 そしてというのだ。
「そこまでなったんだよ」
「それで軍曹もですね」
「そうなってな」
 それでというのだ。
「凄い下士官になりたい」
「それが軍曹の夢で」
「俺は今もな」
「上級軍曹にですね」
「なりたいんだよ」
「それで今もですか」
「ああ、なる為にな」
 是非にという返事だった。
「俺は頑張るぜ」
「そうされますね」
「これからもな、まあ御前は兵役が終わったら」
「はい、大学に行きます」
 ハルークの子おt場は変わらなかった。
「そこで資格を手に入れます」
「そうするんだな、先は学士さんか」
「はい、卒業したら」
「俺には縁のない世界だな」
「俺にもですよ」
 アブクールだけでなくハーディンも笑って言ってきた。
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