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星河の覇皇
第七十六部第一章 動きはじめる両軍その十一

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「いいな」
「そうします」
「下士官になるとな」
「それだけで、ですね」
「違うからな」
「待遇も給料も」
「そうだ、正規の軍人扱いになるからな」
 即ち食魚軍人にだ。
「だからな」
「下士官になることですね」
「補兵士はなれるんだ」
「そうなる為の課程ですからね」
「まあよく一般に毛の生えたものって言われるがな」
「下士官にはなれても」
「幅もあるしな」
 なれるその期間についてはだ。
「三年から七年ってな」
「確かに長いですね」
「その辺り候補生と違うさ」
 下士官候補生とだ。
「俺と同じ時に入った候補生は皆もう軍曹だ」
「武勲なくてもですね」
「敵艦沈める位してなくてもな」
 それでもというのだ。
「軍曹だ、それが下士官にいること選んだ奴でな」
「士官選んだ人もいて」
「少尉とか中尉だからな」
 軍曹よりも幾つも階級が上になっているというのだ。
「候補生はまた違うさ」
「そうなんですね」
「まあ俺は士官には興味はないがな」
 それでも候補生については話すのだった。
「あの課程はまた別だよ」
「二年で伍長、それでそこからもですね」
「どんどん昇進していくからな」
「上級軍曹にもですね」
「確実になるからな」
 一般出身者とは違ってというのだ。
「もう別の世界だぜ」
「頭で採用されるって言われてますね」
「そうだよ、御前は候補生受けなかったのか」
「俺成績悪かったんで」
 笑ってだ、ハーディンはアブクールに答えた。二人の間ではハルークがコーヒーを飲んでそうしてチョコレート菓子も食べている。
「候補生は受けてないです」
「最初からか」
「受からないって思ってまして」
 やはり最初から思っていてだ。
「そうでした」
「そうだったんだな」
「候補生の試験問題難しいですしね」
「俺そっちも受けたぞ」
 アブクールはというのだ。
「けれどな」
「合格されなかったんですか」
「補兵士も受けたぜ」
 そちらの入隊試験もというのだ。
「それでもな」
「そちらもですか」
「落ちてな」
「一般ですか」
「俺は地域でも有数の馬鹿高校出身なんだよ」
 アブクールは笑ってハーディンに話した。
「オマーン高だよ、イマム星系第二惑星の東地区のな」
「そこのですか」
「偏差値にして三十一のな」 
 上は八十、下は三十までの中でだ。
「その馬鹿高校出身でな」
「補兵士もですか」
「受けたんだよ」
 そうだったというのだ。
「それでもな」
「落ちてですか」
「一般には受かってな」
「そこから入られたんですね」
「そうなんだよ」
 こうハーディンに話した。
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