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MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第65話 歯車の策士:前編
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近付く事だろう。勇美は思わず口角を上げる。
(よしっ!)
 心の中で歓喜の声を出す勇美。だが、ここで場の流れが変わるのであった。
「ロールさん、ニースさん。例のフォーメーションでいきましょう!」
 そう言葉を発したのはレイセンであった。彼女はロールと、茶髪の玉兎ニースに呼び掛けるのだった。
 その後、更にレイセンは行動を起こす。
「【揮符「コマンドギア」】……」
 何と彼女もスペルカードを発動したのだった。それにより彼女の背後に歯車が噛み合ったような映像が現出したのだ。
 するとその歯車が回り始めた。カタカタと小気味良い音が静かな月の空間に奏でられる。
 当然勇美は身構えていたが……。
(あれ……っ?)
 彼女は様子がおかしい事に気付いたのだ。その理由は。
(何も攻撃して来ない……?)
 それが答えであったのだ。そう、確かにレイセンはスペルカードを発動したのだ。だが、それにも関わらず勇美に向かって攻撃が向かって来なかったのである。
 どういう事だろうか? その理由はすぐに分かる事となる。
「……!」
 勇美は驚愕してしまった。何故ならその瞬間ロールとニースの二羽が機敏な動きを見せたからだ。
「早いっ!?」
 勇美が驚いている間にも二羽は無駄のない動きで陣形を組んだのだった。
 そして定位置に着い二羽は一斉にスペルカードを宣言した。
「「【月符「エックスポイント」】っ!」」
「二羽で!?」
 連携スペル。その事に勇美は驚愕するのだった。
 しかしそれは彼女自身にとって無縁なものではなかった。──寧ろ勇美もレミリアと一緒に連携スペルを使ったからだ。
 だから勇美は驚くのだった。自分以外にもそれを行う者達がいた事に。
 そうしている間に玉兎二羽は互いの銃剣をまるで門番が槍を構えるが如く交差させた。正にアルファベットの『X』がそこには描かれていたのだった。
 そして、その交差された銃剣からエネルギーが放出されたのだ。さながらX型のビームである。
 そのビームは勇美の放った星々を一気に貫いたのだった。それにより星々はパチンパチンと次々に砕かれていった。正にビデオゲームでレーザーで敵の群れを串刺しにするかの如く。
 これにより勇美の放った星々はことごとく粉砕されてしまったのだった。それは見事に綺麗さっぱりと。
 勿論それだけではなかった。星々の侵攻を全滅させたXの光線の進路の先には……当然勇美が存在していたのだった。
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