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相手は誰でも
第四章

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「わしは人妻もだ」
「しかも血筋でもだな」
「息子の嫁や孫の嫁でも曾孫の嫁でもだったかな」
「尚且つ確実に子を為すな」
「そう思うと凄いな」
「ううむ、お主若しだ」
 ポセイドンは神妙な顔のふりをして笑いつつゼウスに話した。
「ばれている以外のことがだ」
「ヘラにばれるとか」
「もっと大変なことになるな」
「自覚はしておる」
 ゼウス自身もというのだ。
「それはな」
「それでもか」
「やはり止められぬわ」
「美女と見ればな」
「神でも人でもニンフでもな」
「人妻でも美少女でもだな」
「あと子孫でもな」
 その子孫の妻でもというのだ。
「こればかりはどうにもならぬ」
「そうであるな」
「しかも女だけはない」
 ハーデスがここでこのことを指摘した。
「そうであるな」
「そのことも言うか」
「お主鷲になってな」
「うむ、攫ってな」
「オリンポスに連れて行ったな」
「そして今も傍に置いておる」
「他にも姿形がよいとじゃな」 
 ハーデスはさらに言った。
「女でもなくとも」
「男でもな」
「やはりそこはお主だな」
「お主もそう言うか」
「全く以て見境がない」
「天空の神は恵みをもたらすものだが」
 それでもとだ、ポセイドンは兄弟神に話した。
「お主は過ぎるな」
「その恵みがな」
「好き放題言うな、そう言うお主達も結構ではないか」
 ここでゼウスは反撃に出て兄弟神達に返した。
「どれだけの女と男と寝た」
「だからそれは恵みだ」
「恵みを与えておるのだ」
「わしも海を支配する神だからな」
「冥界も大きな世界故な」
「ならわしもだ、というか我等だけでなくだ」
 ゼウスはこうも言った。
「他の神も人もニンフも大概ではないか」
「そう言えばそうだな」
「先程名が出たヘラクレスも数多くの子がおる」
「それでいて美少年も好きだ」
「あの者もかなりだしな」
 ポセイドンとハーデスはゼウスの話を受けてこの英雄の話もした。
「他の人の者達もな」
「これだと思った相手には構うことはない」
「まだ子供でも人妻でも押し倒す」
「それが近親の者でもな」
「そして同性でもよい」
「実に凄いのう」
「そうじゃ、わしだけを言えるか」
 ゼウスはこのことを強弁した。
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