第七十五部第五章 宣戦布告その三十九
[8]前話 [2]次話
「どういった国になるか」
「左様ですか」
「その発展を」
アッディーン、そしてシャイターンを見ながらの言葉だ。見れば二人共まだテレビの画面にそれぞれいる。
「お二人のうちどちらかがそれを進められます」
「逆に言えばですね」
「お一人は消えるのですね、サハラから」
「はい」
マックリーフと劉に答えた八条だった。
「そうなります」
「天下に二日なしといいますが」
「その通りですね」
「そうです、皇帝は一人です」
このことは絶対というのだ。
「一つの国に」
「その通りですね」
「それはサハラにおいても同じですね」
「ですから」
それでというのだ。
「敗れた方はです」
「サハラから去る」
「必ず」
「シャイターン主席はアッディーン大統領を首相にとお考えの様ですが」
八条は既にこのことを知っていた。
「そしてアッディーン大統領も」
「シャイターン主席をですね」
「閣僚なりに迎えたいのですね」
「その様にお考えなのですね」
「あの方も」
「しかしです」
それでもとだ、八条はマックリーフと劉に話した。
「そうはいきません」
「やはり天下に皇帝は一人ですね」
「二日はなしですね」
「だからですね」
「敗れた方はですね」
「サハラから去ります」
そうなったというのだ。
「そうせざるを得ません」
これが八条の読みだった。
「そうなります、ですから」
「連合かマウリアに入り」
「そこで生きることになりますか」
「連合に入った時にどうなるか」
まさにこの時にというのだ。
「それが我々にとっては大事です」
「戦争後ですね」
リバーグが言ってきた。
「去られた方をですね」
「どう迎え入れてどう生きられるか」
「そうですか」
「はい、そうなります」
こうした話を元帥達と話しつつだ、八条はアッディーンとシャイターンを見ていた。宣戦布告が終わったばかりの彼等を。
第七十五部 完
2017・10・29
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ