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ドリトル先生と琵琶湖の鯰
第九幕その六
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「大変なことになるよ」
「お店でも家庭でもね」
「大変なことになるよね」
「その時は」
「うん、ザリガニのパイも酷いしね」
 こちらのお料理もというのです。
「どうもね」
「そうなんだよね」
「どっちもただパイに包んだとかね」
「パイの中に入れたとかね」
「そんなお料理だからね」
「日本じゃ論外だよね」
「そうなんだよね、けれどね」
 それでもというのです。
「日本ではね」
「色々なお魚が色々なお料理で楽しめる」
「しかもちゃんと下ごしらえもしてるし」
「鱗や内臓も取ってね」
「事前の味付けや切ることもしているから」
「いいんだよね」
「そうなんだよね」 
 先生は皆に笑顔でお話します、そこにです。
 ふとです、先生に声がかかってきました。
「ドリトル先生ですかな」
「?そうですが」
 先生がその声の方を振り向くとです。
 そこには緑の肌で手足に水かきがあり背中に甲羅、頭にお皿、そして口は嘴という外見の妖怪がいました。
 その妖怪を見てです、先生はすぐに言いました。
「貴方は河童ですね」
「はい、河童の佐吉といいます」
 河童は先生に笑って答えました。
「誰かと思って声をかけましたが」
「僕のことをご存知ですか」
「先生は動物だけでなく妖怪の間でも有名なので」
 だからだというのです。
「わしも知っております」
「そうだったんですね」
「はい、京都の狐や松山の狸と獺の話で」
 それでというのです。
「わし等妖怪にも話が伝わっていて」
「ああ、ああした時のことですか」
「姫路城のことも」
「宴のことですね」
「有名になっていまして」
「貴方も僕のことをご存知ですか」
「そうなのです」
 こう先生にお話します。
「わし等琵琶湖の河童も先生は知っています」
「それで僕の外見のこともですね」
「おおよそどんな人かも聞いていまして」
 先生の外見のこともというのです。
「それで、です」
「僕がわかりましたか」
「そうです、白人で大柄で太っていてお鼻が丸くて金髪で」
 そうしてというのです。
「スーツとなりますと」
「わかりますか」
「帽子も被ってますし」
「いつも正装ということもですね」
「そうした人は目立ちます」
 どうしてもというのです。
「まことに。ですから」
「わかってですか」
「はい、そして」 
 そのうえでというのです。
「先生にお会いしたいと思っていたところ」
「ここで、ですね」
「お見かけしたので声をかけた次第です」
「そうでしたか」
「それでどうしてこちらに」
 河童は先生に尋ねました。
「いらしてるんでしょうか」
「はい、実は」
 先生は河童に自分がどうして琵琶湖に来ているのかお話しました、そのお話を最後
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