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おぢばにおかえり
第六十話 朝早くからその十六

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「いつもお店からお供えしてくれるし八条家の方もね」
「ああ、八条学園を経営している」
「世界的な企業グループのね」
「あそこのお家も信者さんなんですね」
「そうなの、それもうちの教会の」
「だからですか」
「あちらのお供えも凄くて」
 お菓子についてもです。
「だから困ることはないの。とはいっても余る様なことはね」
「しないんですね」
「そうなの、家族だけで食べることもないし」
 このこともありません。
「皆で食べてるのよ」
「気前がいいんですね」
「気前がいいってことじゃなくて」
 そういうのでなくてです。
「この教会に来たら皆に楽しんで頂く」
「その考えからですか」
「お菓子を出しているのよ」
 こう阿波野君にお話しました。
「いつもね」
「そうなんですね」
「確かに家族でも食べているけれど」
 それもいつもです、実はもの心ついた時からおやつに困ったことはありません。これもまた結構なことです。
「誰かが来られたら」
「絶対に出してるんですね」
「そうよ、だから阿波野君も遠慮しないでね」
「悪いですね」
「悪くないわよ。ただ謙虚ね」
 このことにも気付きました。
「今日は」
「僕いつも謙虚でありたいと思ってますよ」
「それいつも言うけれどね」
「実際にそう思っていまして」
 それでというのです。
「今もですよ」
「いつもあつかましいのに。けれど」
 言われてみるとです。
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