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ドリトル先生と琵琶湖の鯰
第七幕その七

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「注目に値するよ」
「しかも美味しい」
「尚且つカロリーも少なめになるし」
「健康にもいいから」
「余計にいいわね」
「そうなんだよ。僕は王子に食べさせてもらってすき焼きが好きになったけれど」
 何しろすき焼きを食べて来日して日本に住むことを決意した位です。
「しゃぶしゃぶも好きだよ」
「そうだよね」
「こちらも好きだよね」
「そうだよね」
「先生は」
「うん、だから今日も沢山食べて」
 そうしてというのです。
「飲むよ」
「まさに酒池肉林だね」
「今日もまた」
「美味しいお肉に美味しいお酒」
「文字通りの天国だよ」
「僕は美味しいものを口に出来て」
 先生は自分が思う幸せのお話もしました。
「住むところと学問のお仕事があって何よりもね」
「僕達がいてだね」
「王子やトミーもいてだね」
「幸せだよね」
「これ以上はないまでに」
「今がそうだからね」
「もう満足しているよ、けれど」  
 それでもと言うのでした。
「皆は違う意見なんだよね」
「だから先生いつも言ってるし」
「幸せには際限がないって」
「学問もそうだけれど」
「人は何処までも幸せになれる」
「そうしたものだって」
「そうだよ、学問も際限がなくてね」
 そしてというのです。
「幸せもね」
「そうだよね」
「幸せもあるね」
「そうだよね」
「そちらも」
「そうだよ、不幸には際限があるよ」
 こちらにはそれがあるというのです。
「ドン底って言葉があるね」
「そうそう、不幸の果てだね」
「もうこれ以上はないまでに不幸だって」
「そう言うね」
「それはあるよ」
 これはというのです。
「本当にね、けれどお空には果てがないことと同じで」
「地の底はあっても」
「お空には果てがないから」
「幸せにも果てがない」
「そうだよね」
「そうだよ、他の人に迷惑をかけないなら」
 それならというのです。
「幸せは何処までもあるし求めていいんだ」
「けれど先生はだね」
「今で満足している」
「そういうことだね」
「うん、とても満足しているよ」
 実際にとです、先生はしゃぶしゃぶと地酒を楽しみつつ皆に答えました。
「学問のお仕事でここにいて皆とも一緒で美味しいものを食べているから」
「もう満足」
「これ以上の幸せはない」
「そうだっていうのよね」
「そう思ってるよ、けれどね」
 それでもというのです。
「僕はこれでいいよ、じゃあもっと飲んで食べようね」
「それはいいけれど」
「今回は言わないけれど」
「無欲なのは先生の長所でも」
「それでもだとは言っておくよ」
「そうだよね、まあそのことはこれから考えていくけれど」
 それでもというのです。
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