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黄泉ブックタワー
第二章 旅は魔本とともに
第10話 喜んでもらえて、よかった
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日に『俺は最高』って言っただろ」

 彼は少し恥ずかしそうに、はにかんだ。
 その顔は、窓からの光を受けているせいもあるだろうが、アカリにはとてもまぶしく見えた。

 このやり取りのあと、彼からは話しかけてこなかった。

 アカリはすぐに眠気に襲われた。
 首が揺れ、いつのまにか右頬がミナトの三角筋のクッションに落ち着いた。

 その気持ちよさ。

 このままずっと東京に着かなくてもいい――。

 うとうとしながらなのか、それとも夢の中でそう思っていたのか。
 どちらなのかはよくわからなかったが、その気持ちを最後に、意識が途絶えた。
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