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新オズのつぎはぎ娘
第六幕その七
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「面白いわね、両方なんて」
「よかったじゃない、両方で」
 つぎはぎ娘は微笑んだドロシーに軽く跳び跳ねつつ言いました。
「可愛くて奇麗で」
「そうね、確かに」
「ちなみにあんた達はお洒落ね」
 つぎはぎ娘はコヨーテとクロアシイタチにも言いました。
「随分と」
「そう、お洒落にしてね」
 そうしてとです、コヨーテはつぎはぎ娘は答えました。
「いつも草原を歩いているんだ」
「どうしてお洒落にしているの?」
「僕達は争いが嫌いなんだ」
「オズの国の生きものだから」
「そうだね、そして紳士はね」
「争わないわね」
「だからだよ」
 それでというのです。
「僕達はいつもお洒落をしてね」
「紳士になっているの」
「そうなんだ、争わない人達にね」
「成程ね、面白い考えね」
「争って何が得られるか」
 クロアシイタチの言葉は少し哲学的なものでした。
「一体」
「何もないわよ」
 実際にとです、つぎはぎ娘は答えました。
「オズの国ではね」
「そうだよね」
「それであんた達はその考えに基づいて」
「お洒落をしてね」
「紳士になっているのね」
「そうなんだ、オズの国では争いがなくて」
 それでというのだ。
「紳士は争わない」
「二番目の意味でお洒落をしているのね」
「そういうことだよ」
「よくわかったわ」
「しかし君は」
 ここで、です。コヨーテはつぎはぎ娘に言いました。
「僕達以上にお洒落だね」
「あら、わかるの」
「うん、君は何度か見てるけれどね」
「その都度思うことなのね」
「そうだよ、とてもお洒落だね」
「身体自体がっていうのね」
「うん、お肌も髪の毛も服もね」
 その全てがというのです。
「君はね」
「あたしは服もお肌も身体だけれど」
「そう、色々な色があってね」
「そうでしょ、あたし自身そう思ってるわ」
 つぎはぎ娘自身もというのです。
「お洒落だってね」
「実際にそうだしね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「あんた達みたいに服を着てね」
 そうしてというのです。
「お洒落をすることはしないわよ」
「君はもう服を着ているからね」
「身体自体が服だから」
 もうそうなっているからだというのです。
「踊る時はこの上からその踊りの服を着る時があるけれど」
「普段はだね」
「このままよ」
「そうだね」
「自然とお洒落してるのよ」
「それがまたいいよ」
「そうでしょ、ただあんた達よく見れば」
 つぎはぎ娘はコヨーテとクロアシイタチをあらためて見て言いました。
「服だけじゃなく毛もね」
「整えているよ」
「いつもね」
 二匹もこう答えます。
「お風呂に入ってブラッシングもして」
「そうして奇麗にしているよ」
「そうね、とてもいい
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