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ドリトル先生と琵琶湖の鯰
第五幕その九

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「まことに。ですから」
「もっとよくしていくのですね」
「そうです、産業も大事ですが」
「環境も大事ですね」
「難しいですね、人間は発展したいですが」
「環境も守りたい」
「矛盾しているとは思います」
 田中さんはここでは少し苦笑いになって言いました。
「このことは」
「いえ、それはです」
 先生は田中さんに確かな微笑みで答えました。
「矛盾していません、僕は人間は進歩していいです」
「発展してですか」
「そうです、それと共に」
「環境もですか」
「守る義務があります」
 こう言うのでした。
「その両方を果たしていくべきです」
「そうですか」
「進歩しなくていいと言う人もいるでしょうが」
「それは、ですか」
「今の生活以上に幸せな生活をしたいのなら」
 そう思うならというのです。
「成り立たないから、これでいいと満足すれば」
「そこで進歩しないですね」
「そうかと。文明の進歩はです」
「あっていいのですね」
「むしろ僕は進歩すべきとさえです」
「お考えですか」
「自然に帰れと言いましても」
 ルソーの言葉も出しました。
「出来るかといいますと」
「それは」
「無理ですね」
「大抵の人はそうですね」
「そうですね、人はやはり文明的な生活を送りたいのです」
 それが人間というものだというのです。
「ですから」
「それで、ですか」
「そうです、ならです」
「発展していくべきですか」
「そもそも文明と野蛮どちらがいいか」
「文明ですね」
 田中さんは即座に答えました。
「自然とそちらがいいとなります」
「左様ですね、それが答えかと」
「では進歩、発展すると共に」
「そしてです」
 そのうえでというのです。
「環境もです」
「守っていくべきですね」
「それの両立が絶対なので」
「これからもですね」
「琵琶湖も然りです」
 今自分達が前にしているこの湖もというのです。
「やはりです」
「環境を守っていくべきですね」
「私はそう考えています」
「そうですか、難しくとも」
「そうしていくべきです、難しいといいましても」
 それでもというのです。
「今お話した通りにです」
「環境は、ですか」
「守っていけるので」
 だからだというのです。
「努力していくべきです」
「両方を」
「僕はそう考えます」
「成程、そうしたお考えですか」
「そうです、絶え間ない努力がです」
 それこそがというのです。
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