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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
閉会〜金帰火来には遠すぎる〜
復興の国〜エル・ファシル共和国にて〜(上)
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リエーションを頻繁に開催し、顔が広い。彼が声をかければ数千人は動員できます。
難点として、技術力はあるが管理職の経験はなし、ハイスクール中退で政界や現在の社会制度の詳細への関心はあまり高くありません」

「君もよく覚えているなぁ」
 かつてフリープラネッツ労働組合総連合の書記局を務めていただけに、ホアンは素直に驚いた。合流したとはいえリベラル派の彼が左派支持団体をしっかりと把握しているのは驚くべきことだ。
 それが労農連帯党のトップに対する牽制を兼ねていることは理解している。だが既に”ただの政局家”と侮る気持ちは失せていた。 

「新党結成の時に声をかけたのですが、フラれてしまいましてね」
 総裁はくすりと笑い、ホアンに視線を向ける。

「うん、感謝するよ。会わせていただこう」

「よかった!それではこちらに呼びましょうか。閣下」
 総裁が笑みを浮かべてTVフォンに手を伸ばす。
 ホアンは一瞬、違和感を覚えながら首を横に振った。
「よしてくれ、自分で会いに行くとも」

「承知しました、私からも連絡を入れておきますよ」

 ホアンは目を細めて総裁を見据える。
「なぁ、君。『閣下』がカメーネフ君を呼びつけたら進歩連盟は自由党か国民共和党にすり寄る気じゃなかったろうね」

 総裁はさも不思議そうに首を傾げて見せる。だが一瞬だけ、表情に諧謔家のそれが混ざった事をホアンは見逃さなかった。
「フフフフ、まさかまさか、嫌ですね。ハイネセンジョークですかそれ?」
「ハハハハハハッ、エル・ファシルジョークだとも」

 『足を鍛えない偉いさんは酔っぱらって転ぶのがオチ』労働組合運動の父、ジョージ・パームの日誌にもそう書いてある。
 けだし、俚諺は真理である。
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