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星河の覇皇
第七十五部第四章 慧眼その三十三

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「人では」
「徹底した殲滅がいい場合もあるか」
「敵をなくすと思えば」
「それで繁栄した一族もいたしな」
 自らの敵を殲滅して、というのだ。こうしたことは乱世ではよくある話だ。
「それを考えるとだな」
「一概には言えません、人も国家も生きる必要があります」
「自分が生きる為に相手を滅ぼす」
 それもというのだ。
「有り得ます」
「そうなるか」
「はい、ですから」
「一概に愚かとは言えないか」
「アッシリアは当時の生産力を考えますと」
 メソポタミア文明全体のだ、米と比べて生産力の低い麦でありしかも濃厚技術はまだ農耕が定着した位の頃だった。
「どうしてもです」
「アッシリアの様なこともあるか」
「確かにかなり徹底していましたが」
 抵抗した者達への残虐な処刑も多くレリーフとしても残っている。
「しかしです」
「それでもだな」
「はい、彼等が生きる為のことと考えますと」
「一概に悪とも言えずだな」
「愚かともです」
「では我々も連合もだな」
「はい、余裕がなければ」
 その時はというのだ。
「仕方ないです」
「そうなるな」
「あくまで双方の状況次第です」
「戦争か融和かは」
「今の我々や連合の状況なら大丈夫ですが」
 余裕がある状況ならというのだ。
「先程申し上げた通り」
「そうなるな、しかし思うことは」
「出来る限りですね」
「戦争はしたくないな」
「出来れば融和的にいきたいですね」
「生物が違っていてもな」
「SFものでは大抵融和が貴ばれます」
 戦争、侵略ひいては殲滅といったことよりもだ、これは宗教的倫理等も関係してのことであるから余計に難解な問題だ。
「そしてそれはおおむね正しく」
「武力に訴えるよりもな」
「可能な限りそういきたいものですね」
「全くだ」
「そしてそうなるにはです」
「余裕だな」
「知恵や良心も必要ですが」
 そうしたもの以上にというのだ。
「どうしてもです」
「余裕が必要だな」
「そうです、国家としても国民としても余裕があれば」
 そうした余裕だった、この場合の余裕は。
「受け入れられます」
「そういいうことだな」
「相手を知っていれば尚更で」
「ハードルは高いがな」
「必ず、そしてそうした文明との遭遇の時のこともです」
「考えてだな」
「政策を提出しますので」
 ジャバルのそれをというのだ。
「そしてそれに添ってです」
「君はマウリアを発展させていくな」
「そうしていく所存です」
「わかった、ではだ」
「それではですね」
「君は今は副主席だが」
 それをというだ。
「やがてだ」
「国家主席にですね」
「私の後継者に任命しよう」
 こう言うのだった。
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