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提督はBarにいる。
惚れた腫れたの話
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出てしまった。他の娘達も乗り気だ、はぁ……やるしかないか。

「じゃあまずは金剛さんから」

「ファっ!?私からデスか!」

「そりゃそうでしょ、唯一の本当のお嫁さんなんだし」

「だねぇ、提督の方は一目惚れだって聞いた事があるけどさ。思い出してみれば金剛さんが提督のここが好き!って聞いた事無いんだよね」

「確かに!」

「ふぅ……じゃあ話しますけど、ワタシはdarlingの全てが好きですから。優しい所も、厳しい所も、少しdirtyな所も、全てが揃ってないとdarlingじゃありません。だから、全てが好きなんデス」

「う〜ん、予想通り過ぎる答え」

「あ、じゃあさぁ。提督が好きになったキッカケとかは?」

「キッカケ……デスか?う〜ん、darlingに出会った時から胸にLOVEが込み上げて溢れて来て、もうメロメロでしたかねぇ」

 もう20年以上前の話ですから、と照れ臭そうに笑う金剛さん。

「でもさぁ、それってそうなるように『造られた』だけなんじゃないの?」

 衣笠さんが手厳しい発言をぶつける。確かに、金剛さんも私達も『第2世代型』と呼ばれる艦娘は正確には“人間”ではない。妖精さんが志願者を改造して生まれた第1世代型の艦娘を、肉体ごとコピーして造り出された所謂クローンのような存在。だから他の鎮守府にも同じ姿の艦娘がいるし、性格なども似たり寄ったりだ。その中で、妖精さんが『提督を好きになる』様に手を加えていないと誰が断言できるだろうか?

「ン〜……そう言われれば、そうかも知れませんネ」

 しかし金剛さんはその可能性をアッサリと認めた。

「確かに、提督を好きになるようにしたら艦娘の運用的にも都合が良いでしょうからね。ですがそれはあくまでも『キッカケ』、後から嫌な奴だと解れば一目惚れだとしてもその恋は冷めるでしょう?」

 そう言って愛しそうに左手の薬指を眺める金剛さん。

「キッカケはどうあれ、私の心は私の物。そこに作り物か本物かなんて関係ない。提督に出会って、提督の為に戦って、提督も私の想いに応えてくれて……彼は誰より愛しい私のdarlingになりました。だから、私をこう造った意図がどうであれ、私は心よりお礼を言いたいと思いますよ?『私をこう造ってくれてありがとう』と」

「ま、眩しい……!」

「後光が見える……気がする!」

「これが正妻の貫禄っ……!」

 いや、それよりも普段のエセ外人みたいな片言どこ行った?とかツッコまないんですかね。
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