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新オズのつぎはぎ娘
第二幕その三

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「楽しめばいいのよ」
「そういうことだね」
「そうよ、あたしは最初からそうしてるし」
「オズの国を満喫しているんだ」
「そもそもあたし魔法から生まれたでしょ」
 そもそもとです、つぎはぎ娘はお話しました。
「そうでしょ」
「そうそう、君はそうだったね」
「だからあたしはもうね」
「身体全体でだね」
「魔法を満喫しているのよ」
「そうだね」
「そして僕もだよ」
 ジャックも言ってきました。
「魔法で生まれてるよ」
「あっ、君も」
「そうだね」
「僕もだよ」
 今度は木挽きの馬でした。
「魔法で生まれたよ」
「ううん、本当に魔法が身近にある国だね」
「僕達を見てもわかるね」
「そうだね」
「まあ特別に思うことはないよ」
「オズの国にいたらだね」
「魔法についてはね」
 それはというのです。
「特にね」
「本当にそうだね」
「そうそう、特別に思わずに」
「楽しめばいいね」
「そう、オズの国で魔法を使えるのは三人だけだけれど」
 それでもというのです、またつぎはぎ娘は言いました。
「オズの国は魔法で満ちているのよ」
「様々な技術に使われていて」
「そうなっているのよ」
「そうだね」
「そう、あとね」
「あと?」
「あんた達歩く時いつも思うけれど」
 踊りつつ言うつぎはぎ娘でした。
「静かよね」
「踊っていないっていうのかな」
「そう、あたし以外の皆はね」
「というか」
 ドロシーがそのつぎはぎ娘に言いました。
「貴女がまた特別よ」
「そうなの」
「そう、身体がぬいぐるみだし」
 このこともあってというのです。
「物凄く軽やかに動けるから」
「踊りもなのね」
「貴女みたいに踊れる人はいないわよ」
「そうなのね」
「どんな動きしても怪我しないしね、骨もないでしょ」
「そう、あたしの身体の中は綿だから」
 ぬいぐるみだからとです、つぎはぎ娘自身も言います。
「筋肉も骨もなくてね」
「どんなにも曲がるし」
「そう、動きもね」
 それもというのです。
「どんな風にも出来るから」
「どういった踊りも出来るでしょ」
「それでなのね」
「貴女はまた特別よ、あと歌もね」
 つぎはぎ娘が踊りと一緒に好きなそちらもというのです。
「貴女は好きだけれど」
「こっちの歌は変わりないでしょ」
「他の人とね、ただね」
「ただ?」
「貴女のセンスが出ているわ」
 歌はそうなっているというのです。
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