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THE LOOK THAT KILLS
第三章

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「君は魅了されてね」
「心を奪われた、つまり殺された」
「そうなったんだよ」
「成程ね、ここで君が前に僕に言った言葉を思い出したよ」 
 今丁度だ、本当にそうなった。
「目は人を殺す」
「前に確かに言ったね」
「そういうことだね」
「そうだね、しかしね」
「しかし?」
「君は結婚しているからね」 
 彼は笑って僕に家庭るまりプライベートの話もしてきた。
「だからね」
「わかってるさ、だからね」
「彼女にはだね」
「只のファンさ」 
 彼に笑って話した。
「あくまで」
「その立場でいるんだね」
「女優やダンサーや歌手に恋をするのは青春時代にすることだよ」
 僕はこう考えている、そうしたテレビや舞台や映画に入る相手は現実にいて殆ど架空の存在に等しい、僕とは住む世界が全く違うからだ。ハリウッドだけでなくブロードウェイもっと言えばメトロポリタン歌劇場でもそれは同じだ。
「カレッジも出てね」
「ビジネスマンになってだね」
「そうなった人間はね」
 現実、それを知っているからだ。
「そんなことはしないよ」
「そうなんだね」
「だからだよ、舞台は舞台でね」
「君は君だね」
「そうさ、あくまでそれだけだよ」
 本当にこう思っている。
「だからだよ」
「彼女の舞台を観ても」
「それで終わりだよ、舞台を観たら」 
 その後はだ。
「家に戻るよ」
「マンションのだね」
「そうするよ、妻と娘がいつも待っていてくれているんだ」
 娘も三歳になる、もう可愛くて仕方がない。
「だからね」
「それでだね」
「その家庭を壊すつもりはないさ」
「あくまで舞台の彼女に心を奪われただけで」
「家庭は家庭だよ」
「そういうことだね」
「そうさ、今度二人もね」
 その妻と娘もだ、僕は幾種類かの野菜と果物をミキサーしたジュースを飲みつつ彼に答えた。
「彼女の舞台に案内するよ」
「そうするんだね」
「そうするよ、ではね」
「それではだね」
「今夜も舞台に行くよ」 
 彼女の目を観にだ、こう言ってだった。
 僕は今は昼食のハンバーガーを食べた、そうしつつ本当に目が人を殺すことがあるということを心の中で実感した。一つのことがわかったことに僕は心の中で喜びを感じた。そうしつつ今夜の舞台のことにも思いを馳せた。


THE LOOK THAT KILLS   完


              2020・3・11
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