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星河の覇皇
第七十五部第四章 慧眼その二十五
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「違う文明、宗教、人種が遭遇してだ」
「そこから衝突に至りました」
「多くはな、それが近ければ余計にな」
「そうです、距離です」
 ジャバルはこの問題をここで話に出した。
「距離があればです」
「衝突することもだな」
「少ないです、漢とローマ帝国は遭遇しましたが」 
 後漢の桓帝の頃だ、このころの後漢は下り坂にあったがローマ帝国は勢いが残っている頃であった。
「両者はあまりにも遠く」
「国境を接するどころかな」
「遥かに離れ合っていました」
「ユーラシア大陸の東西だったな」
「それだけ離れていて利害関係もありませんでした」
「互いの生存を脅かすまでな」
「そうです、その場合はです」
 互いに離れていて利害関係が生じていないならというのだ。
「衝突とはなりません」
「そこに答えがあるな」
「我々も連合も多くの利益は充分です」
「領内だけでな」
「そうです、そして遠くまで観測流星を出しています」
 人工のだ、連合はそうして遠くに知的生命体の文明が存在しているかどうかを調査し続けているのだ。
「そこで発見されればです」
「遠くにだな」
「はい、連合の国教から遥か彼方にです」
「そうなっていればな」
「充分に対応が可能ですし」
 彼等に対してどう向かうかのそれがだ。
「お互いに国境を接しておらず使節を送り友好的に接していけば」
「そうすればだな」
「いいかと、連合は国家連合なので」
「その中の一国として迎えるな」
「はい、中央政府に議員も送られるとすれば」
「法的にも公平でだな」
「何の問題もなくです」
 連合にとってもその文明にとっても法的にはだ。
「受け入れられます、しかし問題はです」
「法的でなくだな」
「感情ですが」
「こればかりはだな」
「結局時間をかけてです」
「何とかするしかないか」
「偏見というものは人間にどうしても存在しているものです」
 それを払底するのは容易ではないというのだ、もっと言えば人間の本能に存在しているものだというのだ。
「それも遺伝子レベルと言っていいでしょう」
「自我があり自分と他人は違うと認識する」
「それは本能ですので」
 人間のそれであるが故にというのだ。
「どうしてもです」
「人は差別を行うな」
「はい、このことについては」
「連合もだな」
「あの国はモザイク国家で文明も宗教も人種もかなり多くしかも複雑に入り組んでいてです」
「差別もだな」
「存在しています」
 そうした社会でもあるというのだ。
「その国それぞれで、全体としてそれは感情的なものであり」
「法的とまではいっていないな」
「浅い対立です、そしてその対立を解消する為にです」 
 中のそれをだ。
「連合は敵を必要としています」
「全市民共通の
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