第三章
[8]前話
「ニャーーーッ!!」
「おい、怒るな」
「ニャーーーッ!!」
浩太が抱き上げて猫用のボックスに入れて病院に連れて行こうとするといつもの様に威嚇し噛んだり引っ掻いたりして寄せ付けない、それは祖父がしても両親がしても同じで。
徹でもでだ、徹は浩太に話した。
「俺達が連れて行こうとしてもな」
「駄目だな」
「病院に行った方がいいのにな」
「これは参ったな」
「じゃあお祖母ちゃんに頼むか」
「そうするか」
二人でこう話してだった、祖母にハナコを病院に連れて行きたいと話そうとすると。
祖母は既にハナコを抱いていて二人に言ってきた。
「ハナコ病院に釣れて行こうね」
「体調悪いから」
「それでだね」
「俺達も言おうと思ってたけれど」
「今から言おうと思ってたんだけれど」
「それは丁度よかったね、お祖母ちゃんが行こうって言ったら素直に来てくれたからね」
それでというのだ。
「ハナコ病院に連れて行こうね」
「それじゃあ」
「今からね」
二人は祖母の言葉に頷いてだった、そのうえで。
祖母が抱いたハナコを浩太が運転する車に乗せてだった、動物病院に行って診てもらうと出産で体力がかなり落ちていると言われ。
それで栄養注射をしてもらって体力回復の薬ももらった、祖母がそうした薬をあげるとハナコは暫くして元通り元気になった。
そうして五匹の子供達ヤス、キタ、ゴロと名付けられた息子達そしてチカ、ミナと名付けられた娘達と共にだった。
いつも祖母のところに他の猫達と一緒に喉をゴロゴロと鳴らしていた。それを見てだった。
徹は兄にこう話した。
「本当にお祖母ちゃんはうちの猫達にとって神様なんだな」
「だからお祖母ちゃんが言うとな」
「ハナコでもな」
他の家族には一切懐かないがというのだ。
「素直に病院行くんだな」
「そうだな、本当にお祖母ちゃんはうちの猫達にとっての神様で」
「その言うことは絶対に従うんだな」
「実際猫達に一番優しくて一番面倒を見てるからな」
それだけにというのだ。
「愛情を以てな」
「そうなんだな、だからだな」
「ああ、お祖母ちゃんにはうちの猫は皆懐いてな」
ハナコまでがそうで、というのだ。
「それで言うことも聞くんだよ。人間だって自分を愛してくれて面倒見てくれる優しい人の言うことは聞くだろ」
「それは猫も同じか」
「そういうことだよ」
兄は弟に話した、ハナコも子供達もいつも祖母の周りにいてそうして彼女の言うことはいつも聞いていた、まるで彼女が自分達の神様であるかの様に。
祖母が言うと 完
2020・8・26
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