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キリトである必要なくね?〜UW編〜
第一話 始まり
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い現実世界で、ここまで気を張っているほうがおかしいだろう。

 俺は軽く息を吐き、警戒を解いた。
 どうもテストダイブしてからなのか体がおかしくなったように感じる。いや、この感じはどちらかというと、前に戻って………。


 ――『熱』を感じた。

 
 驚き下を見ると、腹部からなにかが飛び出ている。
 そしてそれを掴んでいる何者かの手。

 咄嗟に眼球を右に向けると、サラリーマン風の男がいた。
 
「死ねぇぇ!! 『レッドキラー』」

 男はそう口にすると、何かを引き抜いた。
 ナイフだった。

「ぐぅぅあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!!!」
 
 ――痛い熱い痛い熱いいだいあづい。

 全身に力が入らなくなり、その場に倒れこむ。
 神経がショートしてしまったかのごとく、手足に感覚が無い。

 ぼんやりとした視界に、真っ赤に染まったアスファルトが見える。倒れる体が浸るほどの出血。どのくらい血を失えば人は死に至るのか知る由も無いが、自分にその死とかいうヤツが近づいてきているのははっきりと分かる。

 コイツが因果応報というヤツなのかもしれない。
 多くの人間の命を奪った、その報い。

 なら、甘んじて受け入れてやろう。
 この世界に、未練なんてものは無いのだから。
 
 そんなことを考えながら、俺は意識を手放した。




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