暁 〜小説投稿サイト〜
天才少女と元プロのおじさん
夏大会直前
11話 なら、自信がつくまで練習しないとねー
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ーを駆使して高い奪三振率を誇る。しかも、コントロールが良くなっているとの事で、彼女も進化を遂げていた。

 

 映像で確認すると、彼女のスライダーと詠深のナックルスライダーの軌道が似ている。スライダー対策は詠深の投球練習を兼ねた実戦形式のフリーバッティングを行うこととなった。

 

「菫ちゃんは逃げながらバットを振っちゃうねー」

「解っててもすごい迫力なのよね??????」

 

 詠深がナックルスライダーを投げる際、打者の顔面を狙って投げている。菫はその様なボールを打席で見たのは詠深が初めてだった。

 

 人間は本能で危険から逃れようとする。例え頭で分かっていても、顔面に向かってくるボールを我慢して打つためには、菫には経験はまだ足りなかった。

 

「まずは私のスローカーブで慣れる?」

「そうね。お願いするわ」

 

 正美と菫は場所を室内練習場に移して、バッティング練習を再開する。

 

 正美のスローカーブは詠深のナックルスライダーより変化は小さいし球速も出ないが、顔からストライクゾーンに変化する軌道に慣れるには十分である。むしろ球が遅い分、恐怖心が軽減され、練習にはもってこいだった。

 

「そうそう。良い感じだよー」

「ええ。だいぶ慣れてきたわ」

「それじゃあストレートも混ぜてくねー」

 

 菫と正美は暫く練習を続ける。ストレートとスローカーブを合わせて20球投げた後、野球場へ戻って行った。

 

「明日もヨミちゃんの球の前に私と練習しよっか」

「うん。ありがとう」

 

 翌日のフリーバッティングで菫はヨミのナックルスライダーに対ししっかりとバットを振り切った。ヒットにはならなかったものの、確かな手応えを得るのだった。
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