暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
外伝〜智謀の天使〜
[3/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

「………それは――――――」

リィンの質問を聞いたルシエルは少しの間考え込んだ後自分が重傷を負い、気を失った時の出来事――――――自分達が守っている神殿に貴族階級の魔族が魔族達を率いて攻めてきて、更にそこに1度目は撤退を許し、2度目は敗北した人間でありながら魔族の魔力を纏う人間率いる軍勢が攻めてきた事で3つ巴の戦いへと発展し、その戦いの最中自分が率いていた天使達は全て戦死か捕縛、ルシエル自身も貴族階級の悪魔との戦いで傷ついて倒れる寸前に陥り、止めの一撃を自身の得物で受けた瞬間衝撃によって神殿の外へと吹き飛ばされて落下する所で意識が途切れた事を説明した。

「そんなことが……」

「ルシエルさん………」

ルシエルの事情を知ったリィンとエリゼは辛そうな表情で戦いによって部下や神殿を失ったルシエルを見つめ

「まさか君が率いている精鋭の天使達が3つ巴の状況だったとはいえ魔族に敗れるとはね………しかし、今の話を聞いて気になる事がでてきたな。」

「気になる事、ですか?」

僅かに驚きの表情を浮かべた後考え込み始めたレジーニアの言葉が気になったエリゼは不思議そうな表情で訊ねた。



「先程彼女の説明にあったその人間でありながら魔族の魔力を纏っている興味深い人間との1度目の戦いはその者達によって奪われた”廻天の聖壇”を奪還する為の戦いだったとの事だが………あたしはゼムリア大陸に来る直前までずっとその”廻天の聖壇”を調べていたのさ。」

「という事はもしかしてその”廻天の聖壇”とやらの守りはレジーニアの担当で、ルシエル殿がその人達と戦った理由は”レジーニアがいなくなって、守りについていた天使達を制圧されて奪われた廻天の聖壇を取り戻す事”だったから、ルシエル殿はレジーニアがいた時間軸よりも未来の時間軸からやってきたという事か!?」

レジーニアの説明を聞いてある事に気づいたリィンは驚きの表情を浮かべてレジーニアに確認した。

「その通り。異世界移動に加えて時間移動までできるなんて、増々興味深い存在じゃないか、”零の至宝”とやらは。」

リィンの推測に頷いた後意味ありげな笑みを浮かべたレジーニアの様子を見たその場にいる全員は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。



「え、えっと……それでルシエルさんはこれからどうなされますか?故郷に帰還したいのでしたら、可能な限りお力にはなりますが………」

「………部下たちを失い、神殿も奪われた今のわたくしに帰る”資格”等ありません。”これからどうする”なんて、わたくしが聞きたいくらいです……」

気を取り直したエリゼの質問に対して静かな表情で答えたルシエルは辛そうな表情を浮かべて肩を落とした。

「ルシエル殿………………――――――でしたら、ルシエル殿の
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ