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曇天に哭く修羅
第四部
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手応えは無い。

翔の拳と真空波は当たった。なのに何故か空振った感触しか伝わってこないのだ。

まるで蜃気楼や幻であるように。


「かかったわね」


銃弾は翔へと殺到する。


「ネバーエンドの使う魔晄ノ神氣の真髄は追尾や対応速度では無くこれか!」


翔の迎撃は弾丸を『透過』した。

ことごとくすり抜けてしまう。

そして透過した弾丸は翔の体へ着弾すると、熱や衝撃を放ちながら、強靭な魔晄防壁を喰い破らんと()ぜていく。


「逃がさないわよッッ!!」


クリスは超能力【抑封規制(ストイック)】を発動し、翔の動きを規制して抑え、封じ込めた。

更に超能力【鎧袖一触(パンツァー)】によって身体強化が掛かり、能力の効果によって更に追加で身体強化が掛けられる。


(不味い、これは不味い……。まさかこれほど厄介な奴になっていたとは……!)


このままでは確実に負けてしまう。ここまで追い込まれるとは思っていなかった。


見縊(みくび)っていた《クリス・ネバーエンド》。俺が倒すに値する闘技者だ」


魔術師の基本ステータスだけで言えば、クリスは翔よりも2ランクは低い総合力なのだが、彼女はその差を埋めて来ている。


「《立華紫闇(たちばなしあん)》や《江神春斗(こうがみはると)》と同様に相手をさせてもらうとしよう。ここから俺の力を見せてやるぞネバーエンド」


翔はガードを固めて耐えながら、終わらない爆発の向こうで笑っていた。

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