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おぢばにおかえり
第五十九話 先輩と神戸でその三十四

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「しかも同じ天理高校ですから」
「だからなの?」
「はい、先輩としておみちのことを」
 先輩の言われることはわかっています、けれど何か先輩の今のお顔はどうも怪訝な感じになっています。
「僭越なら仕込ませてもらいます」
「いや、そこはね」
「そこは?」
「違うんじゃないかしら」
「いや、違わないですよね」
 私はそこがわかりませんでした。
「特に」
「違うと思うわ」
「そうですか?」
「だから私も言ってるのよ」
「応援してるってですか」
「ちっちにとってあの子は大事な子よ」
「大事な後輩ですか」
 本当にこうしか思えないんですが、私としては。
「違いますか」
「私が思うにはね」
「他の人もそう言わない?」
「そう言われますと」
 私はコーラを飲みながら先輩に応えました、中華料理にコーラというのは私の個人的な好みでよく飲みます。
「皆に言われます」
「大切な子ってよね」
「あと応援するとも」
「ご両親にも?」
「お父さんとお母さんはそうは言わないですが」
 それでもです。
「阿波野君暖かい目で見ていますね」
「それはいいことね」
「そうですよね、阿波野君もせいじんしたら」
 私は先輩に炒飯を食べながら応えました。
「立派なようぼくになりますから」
「ああ、それはそうだけれど」 
 またどうかというお顔になって言われる先輩でした。
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