暁 〜小説投稿サイト〜
おぢばにおかえり
第五十九話 先輩と神戸でその三十二

[8]前話 [2]次話
「もっと酷い人になっていたわ」
「残酷で意地悪い人にですか」
「なっていたわ」
「想像出来ないですけれど」
 私にはです。
「先輩がそうした人になることは」
「ちっちは私のこと美化してるのよ」
「そうでしょうか」
「ええ、凄くね」
「けれど私から見たら」
 本当にです。
「凄くいい人で」
「ちっちはいつもそう言ってくれるわね」
「本当のことですから」
 私にとってはです。
「ですから今もこうして」
「一緒に遊んでるのね」
「そうです、嫌いな人だと」
 若しそんな人ならです。
「こんなに楽しくいられないですよ」
「それはね」
「先輩もですよね」
「ええ、ただちっちってあまり人の好き嫌いは」
「ない方ですから」
「そうよね」
「まあ阿波野君よりはずっとですね」
「あの子ね」
「彼は凄いですから」
 もう人の好き嫌いが明らかにはっきりしています、嫌いな相手には顔にあからさまに出るタイプだとわかります。
「自分でも言ってますけれど」
「嫌いな相手は徹底的に嫌うタイプね」
「そうなんです、困ったことに」
「私も嫌いだしね」
「はい、もう嫌いな相手は」
「お顔に出てよね」
「態度にも出まして」
 本当に露骨に出ています。
「好きな人にはにこにこしてまして」
「嫌いな人には、なのね」
「もう睨んで嫌そうな顔で」
 先輩もそんな顔で見ていました。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ