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水の国の王は転生者
第六十三話 悪霊の滝
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し方が分からないし、食べられそうも無かったから放って置いたのよ」

「食べられそうって……それよりも、この場違いな工芸品……じゃなかった、雷鳴の杖の弾は?」

「それなら、みんな使って、殆ど残されて無いわ。そうしないと生きて行けなかった」

「……大変だったわね」

「ありがとうねアニエス。もう遅いし、そろそろ帰りましょ?」

「良いけど、アワサは何か収穫はあった?」

「収穫なし。一年前まではこの空洞内を山積みするほど有ったのに、僅か一年で使い果たしてしまったようね」

「それじゃあ、どうやってこれから戦うの?」

「……弾はまだ残っているし、雷鳴の杖が無くたって戦いようはあるわ。でも、きっと多くの犠牲を払う事になったでしょうけど、ね。

 アワサは、雷鳴の杖の力が無ければ自分達がいかに無力化か、戦士としての直感で読み取っていた。

「……」

「アニエス達と出会ったのも、デガナヴィダの言葉を借りれば『大精霊の思し召し』なのかも。あ、デガナヴィダってのは私達のリーダーの事ね」

「アワサ……」

「さ、帰りましょ」

「……そうね」

 洞窟へ入る時のアニエスはアワサの後に着いて行くだけだったが、出る時はアニエスはアワサは隣同士、肩を並べて出てきた。


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