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おぢばにおかえり
第五十九話 先輩と神戸でその二十七

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「それでね」
「そうですか」
「ええ、それとね」
「それと?」
「あの子は私のこと嫌いみたいだけれど」
「先輩のことわかってないんです」
 それも全く、です。
「それであんなこと言うんです」
「そうかしら」
「そうに決まってます、ただいい加減な子ですけれど」
 ここでふとこうも思いました。
「意地悪いところはない筈ですが。自分では陰湿とか言ってますけれど」
「多分陰湿な子じゃないわね」
「私もそう思いますけれど」
 自分では卑劣で陰湿で残忍で執念深いと言っていますけれど私も先輩も阿波野君はそうした子とは思えないです。
 ですがそれでも先輩への言葉は許せないので言いました、
「ただ。先輩のこと知らないんです」
「けれど私がしたことは事実よ」
「先輩が一年の時ですか」
「ちっちにも言ったしあの子にも言ったけれど」
「あのことは」
「実際に神殿本部や高校の校門前で言ったから」 
 実際にそうしたというのです。
「智ちゃんに告白した子と色々あって」
「それで、ですか」
「あの子よりもね」
「先輩の方がですか」
「言ってね」
「先輩りっぷくしてたんですね」
「前も話したけれどね、許せないって思って」
 それでというのです。
「そうしたの、けれどね」
「後で、ですよね」
「その時の三年生の人がこのことを知って」
 海老蒸し餃子を食べながらお話してくれました、こちらのお料理も美味しいですが今はその美味しさよりも辛さがありました。
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