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テンゴの結婚
第一章
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               テンゴの結婚
 沖縄に伝わる古いお話です。
 大工の神様であるテンゴはこの時人間立の中にとても奇麗で可愛らしい娘がいるのを見付けました。
 テンゴはその娘を見てすぐに父親である自分より偉い神様に相談しました。
「お父、わしは人間の娘と結婚したい」
「そうして幸せになりたいか」
「そう思っている」
 こう父親に言いました。
「心からそう思っている」
「そうか、ならその娘に直接言うんだ」
 父神はテンゴにこう答えました。
「好きだ、結婚してくれってな」
「そうしたらいいか」
「そうだ、そうしたことは本人に直接言うんだ」
 好きな相手その人にというのです。
「だからな」
「そうか、なら」
「娘に言うんだ、そしてな」
「娘の返事次第か」
「それで決まるぞ」
「わかった、なら言ってくる」
 テンゴはこう言ってでした、すぐに自分が結婚したいと思っている娘のところに行きました。娘は人間の村の一つにいて畑仕事をしていました。とても小柄で可愛らしい顔立ちで大柄で何処か野暮ったいですが穏やかな顔立ちのテンゴと正反対な感じです。
 その娘のところに行ってです、テンゴは名乗って娘の名前を聞いてからすぐに言いました。
「俺と結婚してくれ、絶対に幸せにする」
「貴方とですか」
「そうだ、そうしてくれるか」
「はい、ですが」
「ですが?」
「結婚する為に一つお願いしたいことがあります」
 ここで娘はテンゴに条件を出してきました。
「いいでしょうか」
「条件?」
「私達、そしてお互いの家族が全員住めるだけのとても大きなお屋敷を建てて下さい」 
 娘はテンゴにこう言いました。
「そうして下さい」
「それを建てられたらか」
「私はテンゴ様の妻になります」
「そうしてくれるか」
「六十畳です」
 娘は大きさも言ってきました。
「お願い出来ますか」
「六十畳か」
「はい、その大きさで」
「わかった、すぐに建てよう」
「今すぐにですか」
「早くな」
「一体どれだけですか?神様ですから」
 それ故にとです、娘はテンゴに言いました。
「やっぱりすぐですよね」
「すぐだ、それもだ」
「それも?」
「一日だ」
 調子のいいテンゴは思わずこう言ってしまいました。
「約束する、六十畳の屋敷をだ」
「一日で、ですか」
「建てよう、そうすればそなたはわしと結婚してくれるな」
「あの、幾ら何でも」
 流石にとです、娘はテンゴにどうかという顔で尋ねました。
「六十畳のお屋敷を一日では」
「わしは神様、それも大工の神様だぞ」
 調子に乗ったままです、テンゴは娘に答えます。
「それならだ」
「出来るのですか」
「そうだ」
 こう言うのでした。
「だから安心するのだ」
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