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俺、リア充を守ります。
第9話「烏賊と海竜とイヤな奴」
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そうゆう事よ」

「総二様は今朝からだと思っているようですが、千優さんは一昨日の午後からあんな感じでしたよ?」

 え?と思って思い返して見ると、確かに昨日、会長と別れてからあんな顔だったような……。ん?会長?

「……もしかして、ヒロ兄の恋煩いの相手って……」

「「もしかしなくても会長(慧理那さんです)ね」」

 2人が声を揃えて言う程分かりやすいのか。

「でも、あれはおそらく、まだ相手の好意に気づいてはいても自分の気持ちの整理が出来ていない状態ですね」

「気持ちが整理出来てないって?」

「そうよ。相手が好意を向けているのが本当に自分なのか、ハッキリとは分かっていない不安とか、自分は本当はどう思っているのか、とかね」

「う〜ん……後者は時間がかかるとしても、前者ツインテールを見れば分かると思うんだけどなぁ……」

「それはあんただけでしょ!」

 ツッコミ代わりに、愛香の軽いチョップが脳天に炸裂する。

「ったく、このツインテール馬鹿……」

「まあ、ある程度整理がついたら、そのうち相談に来ますよ」

 まあ、ヒロ兄はヤバイ事でもない限りは抱え込まないし、俺たちに心配かけることはあまりしたくない筈だ。

 確かに俺じゃ相談には乗れない用件だけど、もし相談に来たら、話は聞こう。

 もし必要なら、ツインテールで相手の気持ちを読む方法、教えてあげようと思う。

「ところで〜総二様〜、私の相談にも乗ってもらえます?」

「ん?どうした?」

「実は最近、寝る時に人肌が恋しくて……よければ今夜から同じ部y……」

「「クロスボンバー!!」」

 ……トゥアールが用件を言い終わる前に愛香、そして考え事をしていた筈のヒロ兄の2人によるラリアットが、一瞬でトゥアールの首を挟み込んだ。

「えっと……」

「総二、気にするな。トゥアールの部屋には毛布と湯たんぽを送ってやれ」

「あ、うん……」

 ついさっきまで悩んでいた人とは思えないほど反応早かったけど……ヒロ兄大丈夫だよね?

 

 □□□□

 

 HR前 2−C教室

 教室の自分の席に座って両手をマスクの様な形にし、口元に当てて考える。これは俺が考え事をする時に楽な姿勢だ。

 一昨日の午後はゆったり出来ず、昨日も朝からもやもやして落ち着けなかった。

 そして今日に至る……か。

 皮肉なものだ。まさか自分が守ると決めた物に……見ていて好ましいと思っている「恋愛」に心を悩まされるとは……。

 いや、仮に慧理那が俺の事を好きだと仮定する。

 そりゃあ校内中の慧理那ファンを敵に回す事になるだろうよ。

 でも困る事なんてあるのか?……いや、前言以外で。

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