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ヘルメスの知恵
第二章
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「乱れ過ぎだ」
「それがいけないと」
「そうだ、デュオニュソス共々だ」
 酒の神であるこの神も酒癖は悪いがというのだ。
「そなたもだからな」
「それで、ですか」
「多少控えた方がいい」
「ははは、まあこれ位は愛嬌ということで」
「何処が愛嬌だ」
 ヘルメスは大きな息子がいるとは思えぬ若々しい青年の顔を顰めさせてその息子に言った、神なので外見は思いのままなのでずっとその姿でいるのだ。
「過ぎるのはよくない、だがそう言ってもだな」
「今から行って来ます」
「困った奴だ・・・・・・待て」
 ここでヘルメスは閃いた、それでこう言った。
「これはいいな、やってみるか」
「やってみるとは」
「酒を持って来るのだ」
 パンではなく館にいる従神達に命じた。
「多くの壺に並々と入れてな、そしてだ」
「そして?」
「そしてといいますと」
「その酒は割るな」
 水でというのだ。
「そのままだ」
「酒を割らずにですか」
「そうしてですか」
「全て壺に入れる、そうするのだ」
 こう命じてだった、ヘルメスは多くの壺に葡萄酒を並々と入れさせた。そしてその壺達を従神達に持たせてだった。
 アルゴスのところに行きそうして声をかけた。
「何か番をしているそうだな」
「これはヘルメス様」 
 全身に目を持つ逞しい男、アルゴスはすぐに彼に礼儀正しく挨拶をした。着ているものは腰巻だけであり筋骨隆々の身体のあちこちに目がある。
「どうしてこちらに」
「うむ、そなたがヘラ様に言われた仕事を見事に果たしていると聞いてな」
「何でもあの牛に秘密があるとのことで」
 アルゴスは広場に柵で囲っている牛に顔を向けつつヘルメスに答えた。
「ヘラ様が来られるまでです」
「そなたがだな」
「見張りをする様に言われまして」
 それでというのだ。
「私はその務めをさせて頂いています」
「お役目ご苦労だ。そしてその話を聞いてだ」
 ヘルメスはアルゴスに笑って話した。
「差し入れを持って来たのだ」
「といいますと」
「これだ」
 従神達に持って来させたその壺を指示して話した。
「遠慮はいらん、好きなだけ飲むのだ」
「これは酒ですか」
「そうだ、飲んでくれるか」
「今は務めをしておりますので」
 そrでとだ、アルゴスはヘスメスに生真面目な声で答えた。
「酒は」
「差し入れだが」
「お気持ちだけ受け取っておきます」
「待て、それはよくない」
 ヘルメスは得意の口車を使うことにした、それで真剣な顔を作ってそれを使っていった。
「神の贈りものだぞ」
「だからですか」
「まさかと思うが」
 アルゴスを疑うふりをして述べた。
「そなた神の贈りものを断るのか」
「それは」
「そなたは忠義者であり神を敬っておるな」

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