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星河の覇皇
第七十五部第三章 察した者その十三
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「専用の救助艇は必要ありません」
「そこまで至らないですね」
「この時代では」
「そこは違いますね」
「このことは安心していいです」
 八条はCICの中をチェックしつつまた言った。
「救助のことは」
「それはですね」
「当時とは違いますね」
「二十世紀や二十一世紀とは」
「そこは違いますね」
「救助は」
「救助は必ずです」
 事故や撃沈がない船なぞ有り得ない、それは常だ。
 しかしだ、それでもというのだ。
「あります、しかし」
「それでもですね」
「そこを間違えば」
「それで、ですね」
「難しいところになりますね」
「そうです、ですから」
 それでというのだ。
「その問題がないことは」
「安心していいですね」
「救助の件は」
「特別の救助艇を用意せずとも」
「それでも」
「そうです、このこともまた問題でしたが」
 それでもというのだ。
「それがないだけでもです」
「いいですね」
「あの兵器は当時は救助も問題でした」
「事故を起こしたなら大変でした」
「他の艦艇以上に」
「はい、難しいところでした」
 そうして多くの犠牲者が出たことは八条もよく知っている、実際に試験運用の段階から多くの犠牲者を出してきた兵器だからだ。
「沈没して乗員全員が死亡した」
「そうしたケースも多かったですね」
「残念なことに」
「多くの国でもありました」
「どの国でも」
「それが拭われた」
「だからですね」
「特別な救助艇は用意していません」
 決して、というのだ。
「救助艇は多くありますし」
「では、ですね」
「あの兵器に何かがれば」
「その時はですね」
「救助艇が動く」
「そうなりますね」
「そうです、それではです」
 さらに話す八条だった。
「これからのことですが」
「この艦艇を実用化し」
「艦隊に配備し」
「運用していく」
「そうしていきますね」
「その予定です、若しエウロパ軍との戦いになれば」
 その時はとだ、八条はまずはこの国の名前を出した。
「この兵器がかなり活躍してくれるでしょう」
「そうなってくれますね」
「エウロパ軍をこれまで以上に破ってくれますね」
「戦いになれば」
「その時は」
「はい、しかし」
 そしてというのだった。
「それはエウロパ軍がこの兵器を出すまでです」
「あの国も開発してきますか」
「やはり」
「そうしてきますか」
「兵器の常です」
 ここではだった、八条の言葉は達観したものになっていた。そしてその達観している言葉で言うのだった。
「やはり」
「そうですね、どういった兵器もでしたね」
「先か後かという問題で」
「相手も常に開発してきている」
「そうしてその質を競い合う」
「それが常でしたね」

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