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オズのケーキ
第四幕その一
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               第四幕
 クッキー達はクマセンターに着きました、するとリンキティンク王は到着した喜びをすぐに歌にしました。
 一曲歌って踊ってです、そのうえで言うのでした。
「ほっほっほ、遂に着いたのう」
「遂にですか」
「うむ、目的地に着くとな」
 旅のそれにとです、リンキティンク王は王子に笑顔で応えました。
「そうした気分になる」
「王様の場合は」
「どんな場所でもな」
 それが目的地ならというのです。
「わしはそうじゃ」
「それで言われたんですね」
「うむ、しかしな」
 ぬいぐるみの熊達を見ながら言うのでした、まだノッコス伍長も王様であるラベンダー熊もいません。
「ここでふと思ったのじゃが」
「どうしたんですか?」
「わし等はクッキー嬢とも一緒におるが」
 ここで言ったのは彼女のことでした。
「前はケーキ嬢と呼んでおったな」
「クッキー作りが得意でありまして」
 そのクッキーの言葉です。
「それで仇名みたいになっています」
「そうだったのか」
「他にも色々付いていますが」
「名前は長いのか」
「はい、どっちで呼んでくれてもいいですが」
「ではケーキ嬢に戻していいか」
「はい」
 クッキーはリンキティンク王に笑顔で応えました。
「それじゃあ」
「ではな、ケーキ嬢とな」
「宜しくお願いします」
「さて、ではな」
 リンキティンク王はケーキにあらためてお話しました。
「わしは今一曲歌って踊ったが」
「そのうえで、ですね」
「このセンターの諸君に挨拶したいが」
「今のが最高の挨拶でしたよ」
 ここでぬいぐるみの茶色い毛の熊、帽子と銃で武装した彼がとことこと来ました。彼こそそのノッコス伍長です。
「相変わらず賑やかですね」
「おお、来てくれたか」
「はい、それで今回は」
「うむ、ラベンダー熊君に贈りものをな」
「届けに来てくれたんですね」
「そうであってな」
 それでというのです。
「来たのじゃが」
「それなら同じですね」
「同じ?」
「はい、アン王女一行と」
「おお、あの娘も来ておるのか」
「オズマ姫からの贈りものを届けに」
 伍長はリンキティンク王にこのこともお話しました。
「それで、です」
「左様か、しかしな」
「しかし?」
「王女達に会えるならな」
 それならというのでした。
「そのことも楽しみじゃ」
「楽しみが増えましたな」
 カエルマンもにこにことして言いました。
「これは」
「全くじゃな」
「ナターシャ嬢達も一緒ですし」
 伍長はこのこともお話しました。
「これからパーティーを開きますが」
「わし等が来たか」
「はい、歓迎の」
 それでというのです。
「そうしますが」
「うむ、では喜んでな」

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