第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第50話 シスターウォーズ エピソード3/4
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た。
勇美がそうしていると、フランドールはその閉じた両手を目一杯両側に開いたのだ。
そう、それはまるで弧を描くかのように。
「!」
その瞬間、勇美は驚いてしまった。今フランドールが弧を描く動作の後に現れていたのだ、本物の弧を描いた弓が。
そして、その弓は実体ではなく、光輝くエネルギー体で構成されていたのだ。
「弓……?」
勇美は訝りながらそれを見ていた。まさかフランドールが弓を使うとは思っていなかったからだ。
そして、フランドールは弧を左手に持ったまま、右手を眼前に翳した。
すると、その手の内で先程の弧の時と同じように目映い光が発生した。
その後、フランドールの右手には弧と同じく光のエネルギー体で構成された矢が握られていたのだ。
ちなみに、その様子をレミリアは特に驚く事もなく見据えていた。
何故なら、そのフランドールの動作は、レミリアがよく見知ったものであったからである。
そう、見知った光景である筈であった。──今までは。
フランドールの一連の動作に違和感を覚えたレミリアは咄嗟に口にしていた。
「お前、何をやっている!?」
それに対して『フランドール』は尚も相手を見下した態度を取る。
「『お前』カ、実ノ妹ニ、随分ナ物言イダナ」
「うるさい、フランに取り憑いている『お前』など妹でも何でもないわ!」
「オウ、怖イ怖イ」
完全にレミリアを馬鹿にした様子でフランドールは宣った。
そうしながら彼女は弓と矢を合わせて持ち、それを──上空へと向けていたのだった。
そして、フランドールはそのまま、弓を引き絞り、矢を上空目掛けて放ったのだ。
明らかに、普通の弓矢の使い方ではない。相手は何をしようとしているのだと二人は訝りながら見ていた。
「喰ライナ。 【禁弾「スターボウブレイク」】」
フランドールが言った後であった。彼女が放った矢を吸い込んでいった夜空が無数の光の瞬きを見せたのだ。
そして、それは起こったのだ。先程瞬きが発生した所から、光のエネルギー弾が降って来たのだ。
その光は勇美目掛けて突き進んでいったのだった。
「危ない!」
そう言って勇美は光の弾を間一髪でかわした。
空から弾が降って来るとは。だが、この程度なら特に問題なく避けられるだろう、勇美はそう思った。
だが、現実はそう甘くなかったのだった。
「我ヲ嘗メテイルヨウダナ。コレデ終ワリダト思ッタカ」
フランドールは怒りと侮蔑と嘲笑の意味が込められた、粘着質の笑みを浮かべながら勇美を見据えた。
そして、フランドールは右手を頭上に掲げた。
「星々ノ矢ヨ、地上ノ者共ヲ蹴散ラセ!」
そのフランドールの言葉を合図に再び空から光の弾が発射されたのだ。
しかも、今度打ち出されたのは、一つや二つではなかった
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